下水道が整備される西里通り =平良西里

西里通りに下水道整備 事業費1.2億円で454㍍

 宮古島市は今年度から、西里通りから旧平良庁舎にかけての下水道整備事業に着手する。総延長は454㍍で、事業費は約1億2千万円を予定。うち5割が国庫補助のため、市の負担は約6千万円となる見込み。また、周辺で事業を行う市民が下水道と接続する工事を行うためにも、最大で10万円の補助金交付を計画している。市は地下水保全のためにも、工事や引き込みに地域住民の理解を得ることが重要として、説明会を開催する予定。
 西里通りは長年市で最高の路線価を記録しているなど、市の賑わいにおける中核的な存在。車社会の進展が進む昨今では、大型量販店が郊外に多数出店するなどかつての様相とは違ってきているが、観光客向けの飲食店などで活況を呈している。観光客数もコロナ禍からの急速な回復を見せているが、悪臭問題が長年の課題となっていた。
 同通りに関しては、悪臭除去のための下水道整備や電線地中化、道路幅拡張など、周辺住民から多くの要望が市に寄せられてきた。いずれも多額の予算を必要とする事業のためなかなか進展が見られなかったが、国庫補助の内定を受けられたため下水道整備に着手する運びとなった。
 工事は旧福嶺病院前の交差点から市場通りまでの西里通りと、突き当たりの市場通りから旧平良庁舎裏手までの454㍍にわたって行われる。周辺で営業中の事業者に大きな影響がでるため、工事開始前に説明会を開くという。
 また、地域住民が下水道に接続するための工事についても、補助金を交付することを予定している。合併処理浄化槽を設置している建物では上限5万円、単独処理浄化槽または汲み取り式便所を設置している場合は上限10万円を補助する。いずれも上限未満の場合は、1万円未満の単位を切り捨てた全額を交付。例えば工事費が4万7千円の場合、4万円が補助される。
 西里通りで飲食店を経営している男性は「悪臭だけでなく、環境負荷の面からも大きな問題だと思っていた。現在は月に1回、事業者にくみ取ってもらっている。下水道使用料がいくらになるか分からないが、今より多少割高になったとしてもぜひ活用したい」と期待を寄せた。

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