大谷翔平、歴史的満票MVP 大リーグ史に新たな伝説 2年連続、3度目 指名打者選手で初の快挙
米大リーグのドジャース大谷翔平が2年連続自身3度目となるリーグMVPに輝いた。指名打者(DH)専任の選手が獲得するのは史上初。両リーグでの受賞はフランク・ロビンソン(61年レッズ、66年オリオールズ)以来史上2人目、リーグをまたいだ連続受賞は史上初の快挙となった。3度目のMVP受賞は11人目。かつてのエンゼルスの同僚であるトラウト以来でバリー・ボンズの最多7度に次いで歴代2位タイとなった。
ナ・リーグは最終候補者として、メッツのリンドーア、ダイヤモンドバックスのマーテイが残ったが、現地時間21日、MLBネットワークの番組内に同僚のカーショーが登場し、「2024年MVPはマイチームメイト、ショウヘイ・オオタニ」と発表した。ド軍選手としては19年のコディー・ベリンジャー以来11人目となった。
番組では大谷が真美子夫人、愛犬デコピンとともに中継で登場し、真美子夫人は拍手で祝福。夫婦でグータッチし喜びを分かち合った。
MVPは全米野球記者協会(BBWAA)所属の会員30人が投票し、全員が1位票を投じる満票での受賞。複数回の満票MVPは大リーグ史上大谷一人のみ。過去2度の受賞は、二刀流での栄冠だったが、今季は指名打者に専任した。
導入から50年以上でこれまで受賞者ゼロだったDH専門選手のMVP受賞。79年のドン・ベイラーは、DHでの起用は65試合、外野手として97試合に出場。21、23年の大谷は、DHでの出場数が一番多かったが、投手兼任という例外だった。
93年のポール・モリターはリーグ最多の211安打、2位の打率・322、111打点、00年のフランク・トーマスも打率・328、43本塁打、143打点、05年のデビッド・オルティズは47本塁打、148打点ながら投票では3者とも2位だった。
だが、どれだけチームの勝利を増やしたかを表す総合勝利貢献度指標WAR(ベースボール・リファレンス版)から貢献度を測ると、モリターはリーグ20位の5・6、トーマスは10位の6・0、オルティズは5・2で11位とこれらの投票結果は妥当であった。
WARはMVPを選ぶ上で重要視されており、DHが過大評価される傾向だったとも言える。
ただし、今季の大谷のWARは9・2を記録。かつてイチローと同僚だった95年のエドガー・マルティネスの7・0を大きく更新する指名打者選手の歴代最高を叩きだした。昨季は二刀流で10・1と両リーグトップ。21年は9・0だったが、今季は打者だけでその数値を一気に超えた。
一方、ア・リーグMVPはヤンキースのアーロン・ジャッジが2年ぶり2度目の獲得。初の満票受賞を果たした。