男女が交互に謡い踊る宮国のクイチャーを披露した宮国民俗芸能保存会 =3日、JTAドーム宮古島

クイチャーで会場熱気 伝統芸能と新創作が競演 ドームで第23回フェス開催

 第23回「クイチャーフェスティバル」2024(同実行委員会主催)が3日、JTAドーム宮古島で開催された。伝統と創作の両芸能の部に13団体が出場。会場となったアリーナには各地のクイチャーや伝統芸能、150周年を迎える西辺小学校の校歌ゆうぎも披露されたほか、ダンススクールに加え宮古島警察署の署員らも出演し多彩な演目が披露され、最後は出演者と観客が一体となる「漲水のクイチャー」を踊り締めくくった。
 今回は「んきゃ~んぬ繋(つな)ぎ くぬ世ゆ繋ぎ 未来世ん繋ぎ」がテーマ。クイチャーのクイは声、チャーは合わすの意味。1903年に廃止された人頭税は300年の間、宮古島民を苦しめてきた。その廃止の一報が届いた際に島の人々は歓喜にあふれ、喜びを表現した。それがクイチャーの起源とされる。
 同フェスの第1回は人頭税廃止から100年後となった2002年の文化の日(11月3日)に開催された。
 同フェスでは平良裕明民謡研究所の唄三線演奏で幕開け。司会は島の未来を担う若者として宮古高校の小西桃花さん(3年)と佐渡山彩歌さん(2年)が務めた。
 宮古各地に伝わる伝統芸能の部では、▽宮国民俗芸能保存会▽荷川取クイチャー保存会▽川満棒踊り保存会▽比嘉民俗芸能保存会▽宮古民謡保存協会・宮古民謡協会▽漲水クイチャー保存会▽下地クイチャー保存会―の順で団体がそれぞれ披露した。
 創作部門では▽Saori dance schooジュニア部門▽宮古島警察署▽西辺小学校校歌ゆうぎ▽新羅withぶどぅれサンガ▽Saori dance schoo一般部門―の順で個性豊かな創作クイチャーを踊った。
 またゲストには、唄者の與那城美和さんを中心に宮古島で脈々と歌い継がれる民謡・古謡を、新たなかたちで現代へと伝える4人組ユニット「MIUNI」とパーカッション奏者やドラマーとして活躍する江川ゲンタさんによるスペシャルコラボレーションに会場にいた出演者、市民、観光客らは聞き入った。
 最後は漲水クイチャーで観客や出演者らで会場が一体となった。

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