第一声を放つ(写真右から)金城徹氏、山川泰博氏、西銘恒三郎氏、山川仁氏

4区は4氏が立候補 沖縄衆院選 県内は4選挙区で16人

 【那覇支局】第50回衆議院議員選挙が15日公示され、27日の投開票に向けて12日間の選挙戦に突入した。宮古島市や多良間村を含む沖縄4区には、届け出順に新人の金城徹氏(71)=立民=、新人の山川泰博氏(54)=維新=、前職の西銘恒三郎氏(70)=自民=、新人の山川仁氏(50)の4氏が立候補した。県内の1~3区には計12人が立候補した。争点は経済振興。裏金問題を受けた政治改革、自衛隊の南西シフトによる配備強化などが主な争点となる。4区は宮古を含め離島を多く抱えることから離島振興も大きな争点になってくる。

◆金城徹氏「経済振興、平和を守る」
 沖縄の農業、畜産業は大きな危機に見舞われている。畜産業の皆さんを救うために県も補正予算を組んで、できる限りの支援をしているが、県の規格だけでは到底間に合わない。国も一緒になって、日本全体、沖縄の畜産業を守っていくべきであると考えている。
 政治の役割を3つ挙げるとすれば、1点目は物価高騰の中で生活に困っている方々に政治が手を差し伸べることが第一に大切だ。2点目は経済を振興させ、地域社会を豊かにしていく。3点目は政治の力で平和を守り、国民を戦闘に巻き込んでいかない。この3つが政治の大きな目標、役割、使命だと考えている。
 物価高騰が続き、毎日の生活に必要な食料品や日用雑貨、電気料金やガソリン代などの値上げが続いている。コスト・プッシュ型のインフレで輸入する穀物や飼料が円安でさらに高くなり、物価高の大きな原因になっている。このようなインフレはしっかり政府が財政を組んで地方や住民に下ろしていくことが大切だと思う。対処するには財政出動させなければならない。日本は30年にわたって、緊縮財政を強いて厳しい予算組みをしてきた。
 国がなすべきは財政をもっと使い、地方に必要な財源を移転することが大事だ。

◆山川泰博氏「生活良くするために減税」
 沖縄県においては沖縄振興計画を52年間も続けてきたにも関わらず、県民所得、子どもの貧困率は全国ワースト。最低賃金も未だに低い状態だ。道路や港湾などのインフラ整備は県外にかなり近づいた。しかし、県民の生活は物価高で本当に厳しくなっている。その上、所得は上がらない。年金や介護、医療の社会保険料は皆さまにも大きな負担になっている。県民、国民の生活をもっと良くするためには今は減税しかない。経済を活性化させることによって市町村の税収も上がる。税収が上がれば、お年寄りや身体が不自由な方への公共サービスにつなげていくことができる。
 そういうことを今、政治はやらないといけない。増税をして、バラ巻きをする政治ではなく、そもそも税金を取らない、減税をする。今やらなければ、日本、そして沖縄県民、生活が本当に厳しくなる。しっかり訴えていきながら、国政の場で沖縄県の全国ワーストを脱却する、全国ナンバーワンを目指していく政治を行っていく。
 保育から大学まで、大阪では無償化がスタートしている。大阪にできて沖縄にできないことはない。大阪の設計図を参考にしながら、私たちは沖縄にふさわしい教育の無償化を必ず実現させる。

◆西銘恒三郎氏「強い経済、所得向上争点」
 自民党は政治と金の問題で大変ご迷惑をお掛けした。心からお詫びしたい。政治と金の問題は常にオープンに、堂々と政治資金をいただいて堂々と使う。その原点に立ち返って選挙戦を戦う。
 自民党と公明党の連立は沖縄からスタートして25年経過した。厳しい選挙だが「選挙区は西銘、比例区は公明」で戦い抜きたい。
 安全保障環境は、これまでになく複雑で厳しい。日米同盟を軸にしながら自由、民主主義、基本的人権、価値観を共有する国々と連携し、ロシア、北朝鮮、中国という専制主義国家とバランスを取って平和を守り抜く。
 沖縄4区の足もとを見るとサトウキビ、畜産、花きなどがある。農業の所得を着実に上げるため力を入れる。首相も地方創生交付金を倍にすると言っている。地方と中央都市部が対決するのではなく、どの島でもどの地域でも変わらない教育、高齢者福祉サービスが受けられる地方創生をつくる。
 強い沖縄経済をつくり、第一次産業を含めていかに所得を上げていくのかが、選挙の大きな争点の一つだ。政治の力で給与を上げていく。民間の投資がしやすい環境、企業の賃上げを促進する税制で、賃上げ好循環社会をつくる。

◆山川仁氏「消費税廃止、給付金届ける」
 政府は国民に負担を押しつけ、一部の大手企業が利益を得て、貧困の格差が広がり、30年の疲弊した社会を作り出した。れいわは消費税廃止を求める。経済が底上げされるまで給付金を届ける。経済を一丁目一番地に、県民の生活に重点を置く。
 私は2018年から22年まで豊見城市長を務め、厳しい財政を立て直した。豊見城市の貯金である財政調整基金を過去最高に積み上げ、子どもたちをど真ん中で受け止められる政策を打ち出し、笑顔になれる豊見城市をつくった。基地や自衛隊がない自治体でも、やりくりをすれば市民にどれだけ還元できるか、身をもって学ばせてもらった。国政の場で復帰から52年間ワーストの県民所得を改善したい。
 南西シフトと言える離島の防衛増強の問題がある。離島の皆さんが不安になる政策を押しつけて、何が国民のための政治なのか。南西シフト、ミサイル配備には一切妥協せず反対していく。離島格差がなくなるように積極財政支援を行う。
 「玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力と分裂選挙と言われているが、そうではない。私は常に県民を向き、経済と平和の両輪で故・翁長雄志前知事の精神を受け継いでいる。

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