• HOME
  • 記事
  • 社会・一般
  • 冬場閑散期の誘客促進 官民一体で新商品開発へ 市対策事業採択 観光庁が視察、市長訪問
観光コンテンツの視察後、座喜味市長(右から2人目)を訪問した観光庁の豊重室長(右端)ら =市役所

冬場閑散期の誘客促進 官民一体で新商品開発へ 市対策事業採択 観光庁が視察、市長訪問

 観光庁の地域観光新発見事業に宮古島市(座喜味一幸市長)の閑散期対策事業「推し活旅とマス媒体を活用した分散型旅行のすすめ」が採択されたのを受け、同庁観光地域振興部観光資源課の豊重巨之新コンテンツ開発推進室長や有識者らが観光コンテンツの視察を行った。同事業は観光需要の標準化を目指し、冬場の誘客促進のための新しい商品開発に取り組んでいくもので、視察では市や事業者などと意見交換も行った。訪問を受けた座喜味市長は「全国の観光振興で宮古島市の立つ位置、強みはなにか改めて考えたい」と述べ、観光庁の支援に感謝した。
 観光コンテンツの視察は、先月31日から2日までの日程で実施。視察後の2日、豊重室長や内閣府地域活性化伝道師・総務省地域力創造アドバイザーの篠原靖跡見学園女子大学准教授、全日空(ANA)地域創生部観光振興チームの前田功太マネージャーらが座喜味市長を訪問した。
 豊重室長は「地域観光新発見事業の採択は全国719件の一つとして宮古島市の事業も選ばれた。(視察では)民間企業の取り組みを聞いたが、宮古はこれから盛り上げていけるとの確信を持った。観光庁としても支援していきたい」と述べた。
 篠原准教授は同事業の内容を紹介し、「(視察では)宮古島の10年後をどうしていきたいかなどを聞いた。全力で成功させていきたい」と話した。
 座喜味市長は冬場の閑散期が課題であると述べ、観光客に魅力があると言ってもらえる商品づくりへの取り組みを強調した、
 訪問後、篠原准教授は「宮古島では大きなリゾート開発が進んでいるが、しっかりと10年後をどうするかを考える大切な時期である。自然を守りながらあるべき姿を観光庁と市長が意見交換し、今後の支援について話し合った」と述べた。
 今後のスケジュールについては「観光庁の有識者らが応援に入り、地元では市や観光協会、商工会議所、民間事業所などがチームを作り、冬の宮古島をどうやって盛り上げていくかを考えていく。その動きを今年の11月ごろにつくっていくことになる」と説明した。
 宮古島市の閑散期対策事業は、冬場の旅客数が落ち込む全日空(ANA)が共に思案して提案。事業費は1千400万円で補助見込額は900万円となっている。
 同事業は観光需要の標準化を目的に点在する既存の観光コンテンツを活用し、年間問わず宮古島への持続的な誘客促進を目指す。
 具体的には「推し旅需要に着目したファンツーリズムの展開(全国的に活動するアイドルグループ『でんぱ組.inc』(予定)の協力でファンツーリズムを実施し、推しが立ち寄った観光地や店が聖地化することで継続した需要創出が期待できる)をする。
 もう一つは「マスメディアを活用した若年層を含む幅広い年代層を獲得(冬の宮古島の魅力発信とターゲット層へアプローチし、釣り・グルメ・自然に焦点を当てた番組を製作し全国放送)する。芸能人・番組のSNS発信を通じ、新たな観光需要につなげていきたいとしている。
 新たな観光コンテンツでは、「宮古島の知られざる冬のコンテンツ」として星空観察、植物、食材や観光環境問題への理解促進のためのビーチクリーン活動に参加し、持続的な観光推進への取り組みに貢献するなど挙げている。

関連記事一覧