書くためのWS始まる 「自分の心を表現して」 U─18短い物語コン タイラさん講師に入門編
宮古島文学賞を主催する市文化協会は3日、関連事業として宮古圏域在住の18歳以下を対象とした第1回「U18短い物語コンテスト~ひらけ!こころ!~」の書くためのワークショップ(WS)第1弾を開催した。市伊良部出身で東京でライターとして活躍するタイラさんを招き、参加した9人が物語を書くための第一歩「物語の種、発見!」に挑んだ。第2弾は10日、第3弾は24日に開催する予定となっている。
はじめに同協会の饒平名和枝会長が同文学賞と同コンテストの趣旨などを説明し、「参加者の皆さんにはこのWSを通して、自由な発想や表現することの喜びを味わい、また講師の経験談やアドバイスから、書くことのコツを学んで自分の文章表現に活用し、書くという行為のスキルアップを図り、文章表現のきっかけとして今後の活動に役立ててほしい」と鼓舞した。
ライターとして活躍しているタイラさん(平良陽一朗)は1999年生まれ。伊良部国仲出身だが、中学卒業と同時に島を離れ、県立向陽高校に進学。その後、早稲田大学へ進んだ際に葛藤があったという。
「幼い頃の私は島の当たり前のレールに乗りたくなくて島を出たが、そこは東京の人たちの一般的なレールに乗っただけだった」と振り返り、その思いをブログで自己満足に発散し続けることで自身の安定剤にしたとのこと。
そこで子どもたちに向け、「書くことは自分の心を形にし、表現することで自身のアイデンティティを実感できる方法の一つだ」と強調した。
WSでは子どもたち自身が自由なテーマでエッセーを原稿用紙に書き綴(つづ)り、それをタイラさんが修正し「この方が伝わりやすい」「何を伝えたいのか意識して」などとアドバイスをした。
同コンテストは多良間村含む宮古圏域在住の18歳以下を対象に原稿用紙(400文字)3~10枚ほどの短い物語を募集している。テーマおよびジャンルは自由。初の試みとなるため、同協会はWSを開催し若者の文豪作品に期待を込め、物語を書く楽しさを伝える。応募期間は9月3日から10月31日(当日消印有効)まで。
第2弾は劇団かなやらびで脚本、演出などを手掛ける森光佐さんによる「はばたけ、想像力!」、第3弾は第4回同文学賞一席を受賞した野原誠喜さんを招いて「物語を完成させよう!」を予定している。