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サミット開催であいさつする國仲会長 =狩俣集落センター

国内外専門家が空き家対策を議論 狩俣自治会 「国際空き家サミット」開催 メタバースで地域活性へ

 狩俣自治会が主催する「国際空き家サミットin狩俣」が22日、狩俣集落センターで開催された。同自治会の國仲義隆会長は「メタバースでつながる新しい地域づくり」をテーマに掲げ、空き家対策としてのメタバースの活用や、狩俣まるごとテーマパークの構想を発表した。サミットでは、国内外から集まった専門家が、空き家の活用方法や地域づくりについて議論を交わした。んみやーち、労働者協同組合かりまた共働組合が共催した。
 國仲会長はあいさつで「狩俣地区における空き家率が全国平均を大きく上回る27・2%に達している危機的状況に対処し、狩俣地区だけでなく、全国的な空き家問題への関心を高める」と述べた上で、地域固有の文化や伝統を生かした地域活性化のモデルケースを提示することなどサミット開催の旨を説明した。
 サミットには、琉球大学島嶼地域科学研究所長の波多野想教授をはじめ、台湾のリノベーション事業を展開する范特喜(ファンタジー社)の鐘俊彦氏、メタバース事業をプロデュースする王謄崇氏、スタンフォード大学のアロン・ホープス氏など国際的な専門家が参加。日本からも全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部の山入端学氏といった多くの専門家が集結し登壇した。
 専門家らはメタバースを活用した空き家対策やリノベーション事業、地域住民参加型の空き家再生活用事例などについて講演し、空き家問題への新アプローチを提案した。
 特に波多野教授によるメタバースとリアルの融合を通じた教育やビジネス、文化遺産の紹介など多方面から地域社会の発展を促進する構想には関心が集まった。
 現実空間では建築学科の体験学習や物販、復活泡盛の試飲、もずく料理の調理体験、空き家の再生を行う。仮想空間では学習塾やバーチャル泡盛工場見学、商店プロモーション、研究データの有料化が進められる。
 まずは空き家を活用し、家族のようにそばにいたペットを見送る施設を作り、現実空間でペットが身につけていた首輪に鈴やリボンなどを仮想空間に置いておき、そこでは生きていた時のようにペットが走り回ったり、鳴き声が聞こえるなど現実空間と仮想空間の融合を実現するとのこと。
 休憩中にはブラジルのプロエンサ・クリス氏による三線の演奏などもあった。終了後にはモリンガそば試食会など交流会が開かれ、参加者らは空き家問題に対する意識を高め合った。
 狩俣自治会は、地域の素材を最大限生かし、空き家を効果的に利活用することで、地域活性化の起爆剤として捉え、さらに世界とつながる地域づくりを推進していく方針を示している。

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