伝承者養成講習の関係者の皆さん =市役所2階・大ホール

先人の技術「次世代へ」 宮古上布保持団体 伝承者養成講習閉・開校式

 宮古上布保持団体(新里玲子代表)の伝承者養成講習の2023年度閉講および24年度開講式が26日、市役所で行われ、先人から伝えられた技術の次世代への継承に気持ちを新たにした。23年度は染め2人、織り1人が修了し図案・手括り講習で1人が継続となる。24年度は図案・手括り3年目の小禄有美子さんほか、染め2人、織り1人の計4人の伝承者が講習を受ける。

講師の作品などが展示され、本年度受講の気持ちを新たにした


 23年度の伝承者養成講習期間は4月1日~2024年3月末ごろまで図案・手括り、染め、織りの3講習が行われる。
 保持団体では原材料および用具の確保事業として年間を通して糸綜絖、絣(かすり)括り台の製作委託、関連技術事業で苧麻績み講座も通年で、宮古苧麻績み保存会に講師派遣依頼の上で経糸、緯糸の2講座、9月に久米島紬保持団体見学研修、12月に普及ならびに啓発活動として多良間村コミュニティーまつりでの作品展示などを計画している
 閉・開講式では3人の修了者は欠席したものの新里代表はあいさつで苧麻糸不足の中で文化の継承に尽力したことに修了者や講師らをねぎらった。
 開会式では事務局長の梶原健次市生涯学習振興次長が激励し、24年度の事業説明で実施についての注意点や予定回数など、同講座のてびき説明では重要無形文化財である宮古上布について改めて説明をし、伝承者、講師ら関係者へ本年度講座に向けて心機一転を図った。
 伝承者を代表して小禄さんは「12撚(よ)りから14~16撚りできるのがたのしみ」、1年目となる染めを受講する松堂初美さんは「藍は生き物みたいでそれに向き合うのがたのしみ」、1年目で染めと織りを受講する長濱充代さんは「実践から遠ざかっているので一つ一つの作業を講師に都度都度聞きながら技術習得に励みたい」などと目標を述べた。
 講師を代表して図案・手括り講師の下地達雄さんは「非常に細かい作業なので何かあれば聞き、ワイーという忍耐が必要。宮古の、県の、国の重要無形文化財を守って行く気持ちで資本となる体を大事にして1年間取り組んでいこう」と鼓舞した。

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