玉城知事「国・県の新たな支援策を検討」 来島し市長と面談
玉城デニー県知事が19日、JA宮古家畜市場や高野海ぶどう養殖など宮古島市の農林水産業振興の現地視察を行った。視察後、玉城知事は「それぞれの課題に取り組みながら出荷に意欲に取り組んでいる。農業や畜産、海ぶどうなどに若い人が関わっており、将来へ期待が持てる」と感想。家畜セリの価格低迷や飼料高騰の支援は県独自で行っているが、「改めて国の支援策、県独自の支援策を含めて新たな支援策を検討していきたい」と語った。視察前には市役所を訪問して座喜味一幸市長と面談。座喜味市長もセリ価格の低迷などで厳しい状況の生産農家への支援、若い人が農業従事できる体制づくりなどを要望した。
玉城知事はJAおきなわ宮古家畜市場、宮古地区集出荷場、沖縄製糖宮古工場、平良東仲宗根と城辺新城の新規就農者ほ場、高野海ぶどう生産組合の養殖場を視察した。
視察後、玉城知事は農業や畜産、海ぶどうなどに若い人が関わっていることに「将来に期待が持てる」と述べ、「離島の不利性解消事業を始め宮古島市の生産者の生産が順調に進み、それが沖縄全体の農林水産業や畜産業の振興発展に関わっていけるように更なる支援策を検討していきたい」と語った。
牛セリ価格の低迷や飼料高騰の支援には県独自で行っており、2024年度当初予算にも計上していることを説明した。
課題については「流通におけるコストや生産の様々な技術協力にJAのみならず、県としてもどのような支援策があるのか、農家の意見も参考に考えていきたい」と述べた。また「若い世代や移住した人がいくつもの品目を作り頑張っているので(今後も)農林水産業の振興に期待が持てる」とも語った。
玉城知事に海ぶどう養殖の説明をした高野海ぶどう生産組合の石嶺良太代表は「宮古島の海ぶどうも頑張っていることが伝えられた」と語った。施設面では海の水を汲み上げる取水に問題があることも伝えたという。
面談では、下地前浜を中心として計画がされている県営公園や宮古空港の物流の受け入れなどの整備、芋の需要が増えるなかの害虫イモゾウムシの対策などについても要望した。
玉城知事は、宮古空港の機能拡充には「就航する航空会社の意向確認なども含め、引き続き航空路線の増便や施設の拡張で意見交換し、将来も見据えながら地域が発展するように取り組んでいきたい」と述べた。
県営公園の整備に向けては官民連携を検討していることを説明し、「引き続き導入の可能性や行政コストの低減、資金調達も含めて取り組んでいきたい」との考えを示した。
イモゾウムシの対策については「離島の久米島や津堅島の取り組みを検証し、その手法が確立するように今後の見通しも含めて検討を判断したい」と述べた。