市内小中学校教諭らが参加しさまざまな指導、支援に理解を深めた =市役所2階大ホール

児童の読み書き学習法解説 スキルアップ研修会開催

 わいどーティーチャーズ研究会(砂川修会長)は16日、第4回スキルアップ研修会を市役所で開催した。大阪医科薬科大学LDセンターの奥村智人氏を招き「見る力の弱さを踏まえた学習の支援」をテーマに講話が行われ、市内小中の教諭らが発達障がいの見極めやその指導、支援に対して真剣に向き合い理解を深めた。奥村氏の宮古島での講演は一昨年9月以来2回目だという。

奥村智人氏


 同研修会は学習を支える子どもの見る力やその指導、支援方法などについて学び、今後の現場での実践に生かすことを目的に行われている。今回は予約時点で50人の応募があったという。
 奥村氏は同センターでオプトメトリストとして、視覚能力評価、視覚トレーニングなど視覚発達と学習についての研究を行う公認心理師であり医学博士。
 奥村氏の分析によれば、文字を「シンボル」として認識するロゴ読みについては英語圏より早い傾向があり、そこから文字読み、まとまり読みと各段階を経ていく。就学前の多くの児童らは生活の中で文字に触れることで就学時には自然と平仮名の9割は「読める」成長を見せているという。
 読み書きの発達については成長するにつれ、読みのルールに気づき、覚えることで児童自らの脳内辞書を整理する能力も身に付けていくとのこと。
 だが、それが困難なことを発達性ディスレクシアといい、発達の遅れはないものの「読み書きにのみ困難がある場合」が多い。そのためその症状に気づきにくいという。
 また、中には光に関して感覚が過敏になり文字が動いて見えたり、文字を読む際に背景にある白地の部分をまぶしく感じてしまう「アーレンシンドローム」といった障がいもある。
 奥村氏は事例とその対処なども紹介し、発達障がいの疑いをすぐに判断してしまう近年の傾向について、指導および支援側が文字を覚え始める多感な未就学時期(3~5歳)への判断を見誤うと、その児童の将来に影響を与えることから、読み書きの反復だけでは解決へは向かわず、児童生徒個人に合わせた指導法や練習法への工夫や理解が必要だと訴えた。

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