「さわり、感じて考えよう」 資料に触る楽しさ体験 子どもら対象に講座
宮古島市総合博物館(友利浩幸館長)は4日、博物館の資料にさわり、「触察(しょくさつ)」を体験する講座を行った。広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館)を講師に招き、午前中は子ども博物館の会員、午後は中学生以上の一般を対象に「資料にさわる」ワークショップを実施。子どもらは博物館所蔵の土器や昔の道具、鳥の剥(はく)製などに触り、目で見る観察とは違い資料に触ることを通して新しい博物館の楽しみを体験した。
子ども博物館の小学4~6年生の児童たちを対象にした講座は、「今日はさわってもいいです―資料をさわって感じて考えよう」と題して行われた。
広瀬氏はウォーミングアップとした前半、自身が目に障害があり、生活で使っている杖が手の替わりになり、杖でついて出る音は(聞く側が)どこにいるのか、位置や距離が分かるなどを説明。全員にアイマスクをつけた状態では外国のペルー、チリで愛用されている楽器などの音を聞かせ、何の音に聞こえるかと問いかけた。
両手を入れ、触った袋の中に何が入っているのかでは「言葉で大きさ、素材などを具体的に説明するように」と話し、「中が見えないので想像ができる。何が入っているのだろうか、考えることが大事」と強調した。
後半では、2人ペアで博物館所蔵の資料を実際に触る体験を行った。アイマスクをした児童が資料の中から選んだ土器、貝斧やキンバト、アカショウビンの鳥の剥製などを手の平や指先でやさしく、丁寧に触った。広瀬氏は「全体的にいろんな方向から触ると印象が違う。ギザギザや尖っているものは特徴なのかなど考えることが大事」と話した。
最後には「皆さんに伝えたいことは触る場合の最大の利点は物とつながることで、触るとその物とつながっていく。作った人はどうやって作ったのか、使っていた人はどうやって使っていたのか。物とつながることは大事。何気なく暮らしている宮古とつながることができたと思う。きょうの体験を生かして、これからも触る体験をやってほしい」と呼びかけた。
触ることへの関心を高めた山野媛花さん(久松小6年)は「貴重な体験でとても楽しかった。目だけでなく、触って手や耳を使ってやることが大切なことに気づいた」、洲﨑絢斗さん(久松小6年)は「いつも見るだけだったが、触ることで違う見方ができたのでいいと思った」とそれぞれ語った。