「宮古から強い王者に」 チャンピオン川満さん凱旋 ボクシングLフライ級
プロボクシング第46代日本ライトフライ級王者、川満俊輝さん(28)=三迫ジム、宮古工業―第一工業大出=が15日、市役所で座喜味一幸市長を表敬訪問し、宮古島出身者初の快挙となるプロボクシング日本王座獲得を報告した。川満さんは「宮古にチャンピオンベルトを持って帰れて幸せ」と話し、座喜味市長は「市民の誇りであり、市民に元気を与える」と川満さんの残した功績に惜しみない賛辞を贈った。
宮原出身の川満さんは12月17日、神戸市の神戸ポートピアホテルで行われた日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦で大内淳雅(38)=姫路木下ジム=と対戦。1回から左右のフックを何度も浴びせ相手を圧倒し、2回1分のTKO勝ちで日本同級新王者に輝いた。同階級は世界的にも有名な井上尚弥や井岡一翔らも過去に王座を戴冠した階級。
川満さんは試合当日を振り返り「みなさんの応援が力になった」と語り、「宮古島にチャンピオンベルトを持って帰れて本当に幸せ。天国の祖父に胸を張って報告できる」と頬を緩ませた。ベルト獲得は昨年9月に亡くなった祖父との最後の約束だったという。
王座戴冠の報告を受け座喜味市長は「こんな小さな島から日本王者が誕生するとは思わなかった。本人のたゆまぬ努力の成果だと思う」と功績をたたえ、「これからも精進し、世界に羽ばたいてほしい」と宮古島からボクシング世界王者誕生に期待を膨らませた。
川満さんは2021年7月に現IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗=ワタナベジム=のWBOアジアパシフィック同級王座戦に敗れ、一時は引退を考えたというが、「同級生の比嘉大吾が活躍している姿や恩師である知念先生に『いまこそあららがま魂の見せ時』と激励されたことで奮起できた」と振り返り、「宮古からでも強いチャンピオンになれると証明するため、日本王座をしっかり防衛していく」と今後の抱負を力を込めて述べた。