入札談合疑惑の検証措置 市議会 内訳書の入札後要求は正当
宮古島市議会(平良敏夫議長)は15日の一般質問終了後、総務財政委員会(下地茜委員長)と文教社会委員会(池城健委員長)を開き、座喜味一幸市長が追加上程した補正予算案1件、条例改正案1件、議決議案3件の委員会審査を行った。総務財政委員会は補正予算の歳入審査を行い、文教社会委員会では審査議案に関連して、し尿処理施設整備事業の発注の際に生じた落札決定の遅延について、市から詳細な説明を受けた。両委員会とも全議案を原案通り可決した。
文社委では価格高騰重点支援給付金事業の低所得者向け追加給付予算、産前産後期の国民健康保険税を減額する条例改正の内容確認を行った上で、本会議質疑で論争となったし尿処理施設の工事発注の際に生じた落札決定遅延について市へ詳細説明を求めた。
市は「入札公募の際に内訳書の様式指定を明示しなかった事務の不手際」を認めた上で、入札後に再度内訳書の提出を求めた理由を「同入札に『談合の疑いあり』とのうわさが市中で立ったことから、談合の有無と入札の正当性を担保するための審査が必要」だったと説明した。
再提出資料が落札に影響を及ぼしたかとの問いに市は「内訳書の再提出要求は談合の有無を判断するための措置」として、「再提出の内訳書によって入札額の変動が起こることはないので落札決定に影響ない。統一の内訳書の精査を行い、談合の疑いはないと判断できたことを受けて落札通知をした」と経緯を紹介。市は「一連の審査は適法に行われており、決定通知の遅延によって入落札の公正性がゆがめられることはない」として委員に理解を求めた。
議案説明を終えた文社委は議案審査を行い、入札議案に対して一部委員が審査拒否の意向を示して退席したものの全議案を全会一致で原案可決した。
総財委では価格高騰重点支援給付金事業に充てる国庫支出金6億円超の歳入を審査。同支出金額の算定は前回給付世帯数を基礎数としていることから、今回の支給対象世帯数が前回よりも増加した場合には国庫から追加補てんがあることを確認したうえで全会一致で原案可決した。