地産地消について考えるワークショップを行う参加者たち =市保健センター多目的ホール

食卓から地域内経済循環 地産地消の可能性考える 市民向けワークショップ

 宮古島市産業振興局の市民向けワークショップが21日、市保健センター多目的ホールで行われた。稼いだお金を島外へ流出させず地域で循環させて所得向上や雇用創出などにつなげる地域内経済循環への理解を深めてもらおうと、ふだんの買い物や料理でどれだけ地産地消をしているか確認し、地域への普及や地産食材の可能性などを参加者に考えてもらった。きょう22日も上野公民館でワークショップが行われる。
 ワークショップは4班に分かれて行われ、用意された食材と価格が記されたカードを使って「夕飯のメニュー」を考えてもらった。裏側には産地が書かれており、ふだんの買い物感覚では「地元産ゼロ」の参加者もいた。地元産を選べない理由では「価格」「種類が少ない」「スーパーで売ってない」などが出ていた。市民を地産地消に巻き込む方法ではポイント制の導入やスタンプラリーの実施、地産地消率の見える化、PR大使任命やゆるキャラ作成などの意見があった。
 東京商工リサーチ沖縄支店調査部の比嘉真正さんが地域内経済循環について説明。稼いだお金を市内で作ったものに使えば地域を巡るお金が増え、需要の増加に伴い増産による雇用創出、所得の向上する可能性があるという。市内の消費1%分が地元産になれば事業者の売上が年間約6億6千万円上がるなどの経済効果の試算も紹介した。
 参加した生産農家の宮平浩幸さんは「島の野菜を意識してもらう良い取り組み。今回一番良かったのは皆さんが自分の作った野菜を買ってくれていたこと。うれしかった。課題は宮古島産の品目が圧倒的に少なく、本土のものが選ばれている。もっと品目が多ければ」と感想を述べた。
 同局産業振興課の西里安博課長は「地産地消の考え方として地域内経済循環への効果を知ってもらい、多くの人に浸透させたい。農産物の出荷先は地元にもあり、出口さえあれば農業をやりたい人も増えると思う。売場の開拓も必要」と話していた。

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