農業委員選任採決せず 市議会定例会 定足数満たさず流会
宮古島市議会(上地廣敏議長)9月定例会は27日、最終本会議を行い、当局の上程議案や議員の発議について採決を行った。農業委員会委員選任を巡る採決では、野党・中立の14人が退席。定足数を満たせなくなったため、議会は流会となった。一方で委員の選任過程に疑義があるとして、議員から調査特別委員会設置を求める決議があり、賛成多数で可決された。平良久貝の農道無許可工事に対する議会の対応についても議論があった。
3年間の農業委員任期が10月15日で終了するため、9月定例会には、新たな委員17人を選任する同意案が提出されていた。告示された事務処理要領から逸脱した結果が議会に上程されているとして、新里匠氏が調査特別委員会を設置する決議案を提出。野党4氏が賛成議員に名を連ねた。
新里氏は要領と提案が食い違っている理由について、「座喜味一幸市長は総合的な判断によるとし、公平性・透明性も担保されていると答弁しているが、説明根拠が不十分」と指摘。「総合的な判断」や「公平性・透明性」を明らかにするとともに、事務手続きを確認するため、調査特別委員会の設置を求めた。
討論では与党の山下誠氏が、設置に反対の立場から「多くの議員から一般質問があり、当局からも真しな説明があった。任命は市長の権限によるものであり、公平性・透明性は保たれている」と発言。野党の下地信男氏は「市長の総合的な判断とはなにか疑問が残る。行政の公平性透明性を確保するため、しっかりとした調査が必要」と賛成意見を述べた。
調査委員会のメンバーは9人。無会派の5氏を除く各会派から、人数に応じて選出された。委員長は公明会派の富浜靖雄氏、副委員長は市民創会の砂川和也氏が務める。期限は調査が終了するまでで、閉会中も委員会を開催する。
同意案採択では保守宮古未来会の山里雅彦氏が「任命は事務処理要領に反し、市長の独善的な判断となっている。審議に応ずることはできない」と退席。公明・自民・市民創会・無会派が後に続き、計14人が議場を後にした。
定足数を割ったため本会議は流会し、同意案の採決は行われなかった。新たな委員が選任されなかった場合、任期終了後も現在の委員が職務に当たるという。