調査が中止された現場付近
=平良久貝の赤浜漁港近く
水産庁査定が中止に 粟国市議、強硬に同席要求で 被災の赤浜漁港近く護岸
5月に襲来した台風2号の影響で損壊した平良久貝の赤浜漁港付近の護岸に対する国の災害査定が7日に行われる予定だったが、市議の粟国恒弘氏が査定への同席を強硬に求めたため、現場での査定作業が中止になった。査定は原則非公開で行われるため、市は査定に支障が出るとして同氏が作業を妨げないよう対応することを市議会の上地廣敏議長に対し公文書で依頼していた。
査定はこの日午前に水産庁の査定員が現場に訪れ、行われる予定だった。粟国氏は現場に訪れ市の担当者に査定作業への同席を求めたが、市側は査定に影響が出るとして関係者以外は現場に立ち入れない旨を説明。粟国氏は納得せず市担当者との間で押し問答となり、この日の現場作業は中止となった。市当局は、今後の査定日程は未定としている。
市農林水産部は、5日付けの公文書で上地議長に対し、▽市の公共物への無許可工事の再発防止▽市による施工状況確認への全面協力▽災害査定の円滑な進行を妨げないこと―を市議会として対応するよう要望した。それを受けた上地議長は口頭で粟国市議に市の要望を伝えたという。
粟国氏は「同席できない理由の説明がない。どのような査定がされるのか見てみたいだけだ」と話した。
市の担当者は「今後の査定がどうなるかは県・国の判断となるので分からない」と述べた。
現場の護岸は台風2号の影響で破損し内部の砂が流出、付近の農道に陥没の危険があるとして8月1日から市が通行止めにしている。同24日に粟国氏が市内の業者に指示して当局の許可を得ないまま工事を強行していた。