宮古島市の待機児童数

宮古島市 21年の待機児童13人

 沖縄県が7日発表した資料によると、宮古島市における2021年10月時点での待機児童数は13人で、15年同月の225人から94%も減少していることが分かった。保育園を所管する市子ども未来課は、認可園の増加など受け入れ施設の拡充に努めてきたことを主な要因に挙げた。保育士不足が現在の大きな課題で、市は人材確保を推進し待機児童ゼロ実現を目指すとしている。県全体の21年10月は1409人で、前年同月から1013人減少した。

 宮古島市の10月時点での待機児童数は15年の225人から16年109人と半減。21年は13人と15年比5・8%まで減少した。21年4月1日時点では2人だったが、転入や出生などで年度途中に待機児童は増減するという。
 久貝順一子ども未来課長は「認可外保育園の認可園移行を推進してきた。認可されることで国や県、市から運営費を補助することができる。市には公立と民間法人合わせて44の認可園があり、受け皿の整備は進んでいる」と説明した。
 課題として保育士の不足を挙げる。「例えば定員が70人の施設でも、職員配置基準を満たせずに受け入れが少なくなることがある。十分な数の保育士が確保できれば待機児童ゼロが達成できる」と話す。
 国は保育士の待遇を改善するため、2月から9月まで3%程度(月額9千円)の賃金改善を補助する。市は速やかな事業実施に向けて準備を進めているという。10月以降は地方交付税を財源に公定価格を見直すことで、同様の待遇改善を定着させる方針。
 保育サービスの質を確保するため最低基準が定められており、0歳児は3人、1・2歳児は6人、3歳児は20人、4歳児以上は30人に1人の保育士を配置しなければならない。
 沖縄県の待機児童1309人のうち、多くの保育士が必要となる0歳児が最多の741人(56.6%)を占めている。1.2歳児は計496人で、0~2歳児の合計1237人が全体の94.5%に上る。
 市内で0歳児を育てている20代女性も2カ所に応募し落選したという。「息子は保育所に入れていないので、待機児童が減っていると言われても実感はない。全員が入れるようにしてほしい」と訴えた。

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