伊良部漁協のマグロメンチカツを食べる児童 (資料写真)

給食の地産地消進む 販路拡大・食育に期待

 宮古島市(座喜味一幸市長)が地産地消を推進するため、2021年度から取り組んでいる学校給食への地元農水産物の活用促進が効果を上げ始めている。伊良部島漁業協同組合(伊良波宏紀組合長)が製造する地元産マグロカツやなまり節は5月、城辺・下地・伊良部の3地区で食材として活用された。同漁協はさらなる販路拡大や食育の進展などに期待を寄せる。市の学校給食調理場は、給食への地場産物提供に積極的に取り組むとしている。

城辺学区では2日、宮古産のマグロフライとマンゴーゼリーが提供された(提供写真)

 伊良部島漁協は市の支援を受け21年度、給食に提供するメニューの開発や、同年6月から義務化された国際的な衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理への対応などに取り組んだ。マグロを使ったフライ、メンチカツ、なまりフレークなどが提供可能になり、3月には伊良部島小中学校で3回にわたり活用された。
 市の支援は3月で終了したが、22年度に入っても給食用の注文が入っているという。同漁協職員は「市からは当初、次は9月ごろになるのではとの説明があったが、1学期が始まってすぐに注文が入りうれしい誤算。販路拡大につなげるとともに、子どもたちが魚食に親しむことで消費の拡大にも期待したい」と話した。
 城辺地区が2日の世界まぐろデーにマグロフライを提供したほか、伊良部地区では26日の開港記念日にマグロメンチカツを予定している。下地学区でもなまり節を活用したみそ汁を提供する予定。平良地区では一度に4千人分と大量の食材が必要なため、フライやカツの提供は現在のところ難しいという。
 ハサップへの対応について同漁協は「市の協力もありマニュアルの作成などは終了している。今後は運営しながら、足りない部分の追加や衛生基準を守ったうえでの省力化など、改善に取り組みたい」と述べた。
 学校給食への地元産農水産物提供推進ではほかに、JAおきなわ青壮年部平良支部が需要の多いニンジン生産に取り組んだ。4月分は約400㌔を平良共同調理場に出荷したという。あたらす市場は5月、城辺共同調理場に加工用マンゴーを無償提供している。
 また市は現在、宮古島漁業協同組合が生産する養殖モズクの給食での使用拡大に向けて、栄養士などと協議を進めているという。

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