八重干瀬の航空写真(2008年11月14日撮影・国土地理院ホームページより)
八重干瀬と周辺地域 世界自然遺産登録目指す
宮古島市(座喜味一幸市長)は八重干瀬の世界遺産登録を目指し、2022年度から周辺地域を含めた環境調査などを開始する。市は世界自然遺産登録基準の4項目―優れた景観▽地球進化を示す地形・地理▽貴重な生態系▽絶滅危惧種を含む生物多様性―全てに該当すると見込んでいるが、国の法律で保護されていることも条件の一つのため、国立・国定公園指定に向けて取り組んで行く方針。
世界遺産として認められるためには、世界で他に類を見ない顕著性・唯一性を示さなければならない。国立公園などへの指定を目指し科学的調査を行うことで、顕著性・唯一性を主張する根拠と、法による保護体制確立を目指す。
対象地域は八重干瀬・池間島・大神島と狩俣から南静園沿岸にかけた3.9万㌶。27年度までの7年間で生物・地質調査や関係者へのヒアリング、成果広報や啓発など幅広い事業に取り組む。22年度は生物調査とヒアリングを実施する予定。
事業を通じ▽自然環境の適正な保全と活用促進▽市民の郷土愛醸成と環境保全意識の向上▽域外からの移住や観光促進―が期待されるとする。生物調査は4年間行い、サンゴの分布状況や種類、陸上での希少動植物などを明らかにする。
ただし、国立公園などへの指定により漁業や地域集落に大きな制約が課されることが明らかになった場合には、事業を根本から見直すとしている。