閉鎖された無料PCR検査場 =宮古空港敷地内

新型コロナ「5類」移行 インフル同等の扱い

 新型コロナの感染法上の位置づけが8日、季節性インフルエンザなどと同等の「5類」に移行された。法に基づいて感染者に求めてきた外出自粛要請がなくなり、PCR検査などの公費負担も終了。市内各地の無料検査場は同日までに閉鎖された。県立宮古病院では、条件付きで入院患者との面会が可能になった。一方で、65歳以上の高齢者を対象としたコロナワクチンの追加接種も始まり、宮古島市は対象者への接種券送付の準備を進めている。
 法律上の位置づけが変わることにより、これまで国が負担してきたPCR検査や外来診察、入院医療費に自己負担が発生するようになる。2023年度のワクチン接種は引き続き無料で、65歳以上の高齢者は春秋、64歳以下の人は9月以降に受けることができる。
 ワクチン業務を所管する市健康増進課の湧川博昭課長は「国は個別接種を中心に体制を移行する方針を示しているが、医療機関に行くことが困難な市民もいると思う。医師会とも相談し、集団接種でも対応していきたい」と述べた。また、「一人ひとりの判断なので、マスクを着けるように、あるいは外すように他人に強要しないよう気をつけてほしい」と市民に呼びかけた。
 宮古病院では、これまでより規模は縮小するものの、新型コロナに感染した人の受入体制を維持する。病院職員は「宮古では重症患者を受け入れられる病院が限られているため、対応できる体制は整えておかなければいけない。感染対策なども引き続き継続する」と説明。「これまでは入院する人に一律でPCR検査を受けてもらっていたが、自己負担が発生するため、医師が必要と判断した場合のみに縮小する」と話した。
 同病院では入院患者への面会を禁止していたが、▽2人で15分以内▽マスク着用必須▽院内での飲食自粛▽午後3時~8時の時間厳守―などの条件付きで可能になった。職員は「ウイルス自体に変化はなく、院内での感染拡大を防ぐ必要がある。療養環境確保のために市民の皆さんの協力を願いたい」と述べた。
 座喜味一幸市長は同日、「法律上の位置づけが変わり、マスク着用を含む感染症対策は個人の判断が基本となるが、引き続き換気や手洗いなどの基本的な対策に協力を願いたい」とのコメントを発表した。

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