罠にかかって捕獲されたイノシシ =提供・宮古島市

3年ぶりイノシシ捕獲 北海岸沿いに生息

 宮古島市環境保全課が城辺地域に設置してある罠でこのほど、3年ぶりにイノシシが捕獲された。宮古島では同地域の一周道路から北海岸沿いに生息しているという。現在のところ内陸部での被害は確認されていないが、同課は実態調査やDNA鑑定などを行い、今後の対応を立てる方針。八重山から猟友会を招き、複数の猟犬で追い立てる「巻狩り」を実施していたが、コロナ禍で3年間実施できなかったことがイノシシ増加に影響している可能性もある。
 ブタとイノシシの雑種であるノブタとニホンイノシシは、県の重点対策外来種に指定されている。市は宮古や八重山の猟友会と協力して駆除に当たっており、2017年には41頭、18年は35頭を捕獲した。19年は10頭、20・21年は連続してゼロだった。20年3月に行った調査では、宮古のイノシシは残り10頭ほどと推測されたという。
 宮古には「巻狩り」のノウハウがないため、捕獲には石垣と竹富町の猟友会に協力を求めていた。19年に捕獲した10頭のうち、6頭は「巻狩り」によるもの。コロナ禍の行動制限のため、20年度から3年間「巻狩り」は行われていない。
 22年度は4月から12月にかけて、宮古猟友会が7頭を駆除。3月4日には罠に67・6㌔の雌イノシシがかかった。環境保全課の職員は「20年度以降も、宮古猟友会の活動と罠の設置は行っていたが、2年間ゼロだったものが捕まり始めた。定期的な『巻狩り』が継続できていればとの思いがある」と話した。
 実態を把握するため、来年度の当初予算に調査費を計上。同課職員は「ドローンや定点カメラを使い、かなりの精度で個体数が把握できる。足跡などから移動ルートを特定することも可能」と説明する。
 北海岸から内陸部に侵入することを防ぐためのフェンス設置や、効率的な「巻狩り」のプラン策定などの対策を想定している。新たに島外から持ち込まれた可能性もあるため、DNA鑑定も行うという。

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