2校で教育研究成果の発表 「主体的・対話的学び」推進

 東小学校(下地辰彦校長)と平良中学校(宮國幸夫校長)は10日、それぞれの学校で県教育委員会から指定を受けて取り組んできた教育研究の実践報告・成果発表を行った。新学習指導要領が示す「主体的・対話的で深い学び」の推進を共通テーマに、東小は運動・スポーツを楽しみ主体的に体力づくりに取り組む児童育成、平良中は温かな人間関係作りなどを通して自己肯定感を高め、主体的に学び・活動する生徒の育成に取り組んだ。両校ともこの日は、公開授業と分科会での振り返り、全体会での研究報告を実施した。

楽しい体育で対話促進 東小

 東小は2020年度から3年間「体育・スポーツ推進校」の指定を受け、「気づき、伝え、活かせる児童」を主題に研究を推進。コロナ禍で体育に多くの制限を受けながらも、運動やスポーツが楽しいと感じる授業づくりに取り組んだ。
 3年間の集大成を発表する場となったこの日は、2・3・6年生の公開授業を実施。6年生は「技を美しくきめよう!」をテーマに、体育館でマット運動や跳び箱に取り組んだ。
「技を美しく見せる」というテーマを設定することで、観察したり伝え合ったりする資源を絞り込み、児童の対話が促進されるよう工夫したという。子どもたちは互いに良いところや課題を話し合いながら、技術の向上に励んだ。班ごとにタブレットで撮影しており、出来栄えを確認しながら話し合う場面もあった。
 下地校長はコロナ禍で生活様式が一変し、児童の体力低下が指摘されているとして「運動に親しみ、主体的に体力づくりに取り組む児童の育成が求められている。発達段階などに応じたICT機器の活用についても研究を深めることができた。今後の体育・スポーツの充実・発展に寄与できれば幸い」と述べた。

島内外から集まった大勢の教員が見守る中跳び箱に取り組む児童ら、東小学校体育館

生徒の自己肯定高める 平良中

 平良中では、生徒へのアンケート調査で「対人ストレス」、「いじめのサイン」といった人間関係に関する項目に向上が見られる一方、「学習習慣・意欲」で全国平均を下回っており、主体的な学びの実現に課題が残っていたという。
 研究では、温かな人間関係づくりと自主性を高める取り組みの充実を通して生徒の自己肯定感が高まることで、主体的に学び活動する生徒の育成を目指すことをテーマに設定した。
 教職員と生徒が一つの方向に向かうため、4月に宮國校長が「魅力ある平良中学校づくり」をテーマにガイダンスを実施。教員から生徒に向けて、また生徒同士で感謝メッセージを送る「ハッピーカード掲示大作戦」などを通した居場所づくりを推進。主体性育成の面では、生徒会活動を生徒自身が企画運営する自治的活動に変え、学校生活のさまざまな場面で生徒自ら目標を設定する「チャレンジ活動」に取り組んだ。
 宮國校長は「複雑化や多様化していく社会の中で、生徒たちの自己肯定感を高める教育が必要。最も大切なこととして、まちがってもマイナスの言葉を発しないよう全教職員で共有している」と述べた。

4つのブースで同時進行された分科会=10日、平良中学校体育館

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