市内のかまぼこ店はコスト高に苦しんでいる
=19日、根間かまぼこ店
市内製造業者 かまぼこ値上げ検討
県蒲鉾(かまぼこ)水産加工業協同組合はこのほど、県内の水産ねり製品(かまぼこ、ちくわ)業者にコスト高が重くのしかかっているとの厳しい状況を発表した。原料の高騰に加え原油高で包装材、電気料金なども上昇し、魚肉ねり製品の小売価格は2013年から徐々に上がっているが、コストの上昇に追いつかないという。宮古島市内の製造業者は「自助努力が限界に来ており、値上げを検討せざると得ない」と現状を話す。
日本かまぼこ協会が昨年11月に発表したデータによると、主原料の冷凍すり身価格は最大の供給源である米国産スケトウダラすり身が21年3月に1㌔当たりで前月比20%増の365円に上昇し、その後7カ月連続で前年を10%上回った。タイ産のヨトヨリすり身も20年11月から急騰、21年6~9月は13年ぶりに1㌔当たり400円台となったという。
すり身以外の大豆や食用油などの価格も20年9月から1年間で1.6倍に上昇、原油高に伴う燃料、電気、包装資材の値上げなども重くのしかかっている。
同組合の金城太参事は「大手業者が値上げしないと県内の中小業者は値上げしづらいのが現状」とし、「輸入原料が春以降さらに高騰すると見込んでいる。これまではコスト圧縮でしのいできたが、限界に達している」と先行きも厳しいとの認識を示した。
根間かまぼこ店(平良下里)の根間勝也代表は、「昨年から原料価格は上がっているが、客に迷惑を掛けられないので頑張ってきた。4月以降は値上げを考えている」と現状を語った。宮城かまぼこ屋(平良下里)の宮城春美さんは「県内の仕入れ業者からは3月以降値上げと言われている。味を保っていくためには製法は変えられない。本当に厳しい状態」と苦境を話した。