現年度納付66%に上昇 県の国民年金2021年度 伸び率5%で全国1位
日本年金機構那覇事務所はこのほど、沖縄県における2021年度の国民年金現年度納付率が、20年度の61.1%から66.8%に上昇したと発表した。全国平均は73.9%で依然として47都道府県最下位のままだが、19年に発足した「沖縄プロジェクト」による徹底的な取り組みの結果、全国との差は7%に縮小。対前年度比の伸び率5.7%は全国1位となった。
県内では19年度末現在、計41万7312人が35億475万円の公的年金を受給している。沖縄プロジェクトは同年8月、県内の無年金者.低年金者の増加を防止するため発足。啓発活動や収納対策など徹底した取り組みを実施し、17年度に17.2ポイントあった全国平均との差を、9.9ポイント縮小することに成功した。
現年度納付率は最下位のままだが、22年6月末における最終納付率は73%となり、大阪府の72.3%を上回った。国民年金未納者の削減は、県民の年金受給権確保と生活安定につながるとして、23年度末の全国平均レベル到達という目標達成に向けて、今後も県内の年金事務所が一丸となって取り組むという。
一方、20~24歳の若年層の納付率が全国平均を大きく下回っているという課題もある。21年度は全国平均が71.8%なのに対し、県は49.5%と22.3ポイントの開きがあった。25~29歳は11.3ポイント、30~34歳は8ポイントと、年代が高くなるほど全国との差は縮小する傾向。
国民年金制度加入の入り口に当たる20歳時点の対策が、今後の年金制度に対する理解を左右するとして重点的な取り組みを実施。戸別訪問による丁寧な制度周知に努めるという。
SNS上での情報発信などを通しても若年層への周知を図っているが、県内の教育機関などに年金セミナー開催への協力を呼び掛け。開催方法は可能な限り要望に応じるという。