事務局が方針を示した検討委員会 =市役所庁議室

旧平良庁舎 民間資金活用で利活用 来年4月の開業目指す

 宮古島市(座喜味一幸市長)は20日、市役所で旧平良庁舎の利活用に関する第3回検討委員会を開いた。これまでの委員会の意見を踏まえ、売却ではなく運営業者を公募する形で、民間資金を活用した利活用(PFI)を進める案を事務局が提案。委員会から同意を得られ方針がまとまった。市民と観光客双方が利用可能な、中心市街地に新たな賑わい・交流を創出する施設として、2024年4月の開業を目指し取り組むという。
旧平良庁舎は20年12月で供用を終了。21年度は約1670万円の維持管理費がかかっており、当局は当初、財政負担の軽減を図るために庁舎を売却する方針を示していた。委員会はこれに反対し、売却以外の手法による利活用を求めた。
市は岡山県津山市の事例を参考に、PFI(民間資金を活用した事業手法)を用いた活用方針を提案。市が庁舎の所有権を持ったまま、施設の運営権を公募で選定した事業者に設定する方式を取るという。
運営権は10~20年間を想定。事業に当たっての改装工事費は基本的に民間業者が負担し、光熱費や施設保守などの維持管理費は全て民間負担となる予定。市は運営権の対価として、事業者との協議で決定した収入を得ることができる。
市は整備方針として、市民と観光客の双方が利用可能な交流拠点施設とすることを示している。大手コーヒーチェーンの誘致や観光案内施設の設置、貸しオフィスなどを想定しているが、接待飲食業・パチンコなどの遊戯場は認めない。
市内の福祉団体などから同庁舎を使用したいとの要望がある。市も施設に公共的性質を持たせるため、運営事業者にこれを求める方針。PFI方式では福祉団体が賃料を支払う必要性が出るが、市は運営権対価を安く抑える・交付金を活用して補助するなどの手法を検討している。
検討委員会は第1回を21年12月、第2回を22年8月に実施。市議会でもたびたび取り組みの遅さを指摘する声が上がっていたが、当局案と委員会の意見をすり合わせた形で方針がまとまった。事業実施にかかる条例案の提出や公募、改装作業などを経て、24年4月の施設開業を目指す。ただし、現段階では工事規模などが不透明なため、開業が遅れる可能性もある。

民間資金活用して利活用を進める旧平良庁舎 (資料写真)

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