自販機荒らし相次ぐ被害 30台近く、総実高でも
宮古島市で3月ごろから、自動販売機が壊されて現金が盗まれる事件が相次いでいる。宮古総合実業高校の敷地内でも、2台の自販機が荒らされていたことが16日までに分かった。被害を受けた事業者によると、壊し方が同様の手口のため同一犯の可能性が高く、犯行のほとんどは週末の深夜に行われていると見られるという。宮古島警察署は、自販機の周りで不審人物を見かけた場合、110番通報など情報提供への協力を市民に呼び掛けている。
被害を受けた自動販売機は右側前面の角が直線状に切り裂かれ、現金が抜き取られている。自販機が複数並んでいるところでは必ず右端の機械が被害に遭っており、壊し方も次第に巧妙になってきているという。
3月上旬から毎週のように被害に遭っているという市内の清涼飲料水販売業者は「全て同じ手口のため、同一犯の仕業でほぼ間違いないと考えている。発覚するのも月曜日か火曜日に限られており、週末の深夜に荒らしているのだろう」と語る。「事件が起き出してから売り上げを小まめに回収するようになり被害額は減っているが、現場検証に長時間拘束されるなど精神的ストレスもあり疲れ切っている」と憤った。
この事業者は5台の自動販売機から現金が盗まれたが、市全体では30台近くが被害にあったと見られている。機械の再設置に係る費用は飲料水メーカーの負担だが、相次ぐ被害にメーカー側が及び腰になっているという。
総実高では新学期開始後に被害が発覚した。学校関係者は「春休み中に侵入されたと思う。自販機以外の学校施設に被害はなかったが、防犯カメラの増設など対策を強化する必要がある」と話した。
平良西仲宗根の多目的前福運動場でも同様の事件が起き、宮古島警察署が13日、現場検証を行った。同署は「未遂も含め被害が増加しており、早期解決に向け全力で取り組んでいる。人が寝静まった時間帯に犯行に及んでいると思われるが、自動販売機の周辺で不審な動きをしている人物を見かけた場合は速やかに110番通報してほしい」と市民に呼び掛けている。