大城教育長(左)に八重山宮古郡各村字名鑑などの原寸復刻を寄贈する名雲さん
=市役所3階会議室
群馬県の古書店 明治期の各村字名鑑などを寄贈
群馬県高崎市の古書店・名雲書店(名雲純一代表)は16日、1903(明治36)年3月に臨時沖縄県土地整理事務局測量課がまとめた「八重山宮古郡各村字名鑑」、1880(明治13)年刊行の「琉球事件」、作家石野径一郎の自筆原稿を「ペルリ水兵事件」を編集刊行した原寸復刻を市教育委員会を通して市内の全中学校と高校に寄贈した。
同書店代表の名雲さんが所蔵していた資料を編集刊行したもの。「各村字名鑑」は1889(明治32)年に税制土地制度を統一するため実施され、1903年に事業が完了した。収録字数は宮古845、八重山474カ所。「琉球事件」は1888(明治12)年の琉球処分(琉球事件)直後にその顛末などを記録した刊本(松井順時編)。「ペルリ水兵事件」は「ひめゆりの塔」を著した沖縄県出身の作家石野径一郎未刊の歴史小説の新出原稿。
八重山宮古郡各村字名鑑の原寸覆刻
市役所を訪れた名雲さんが、原寸復刻を寄贈した。市教委の大城裕子教育長は「市史編さん事業の自治会編の土台となる貴重な資料。小中学校で沖縄宮古の歴史を学ぶ機会が少なくなっていると思う。沖縄宮古の歴史を子どもたちに伝え、もっと理解を深めてもらいたい。郷土学習に活用したい」と感謝した。
名雲さんは現在60歳で「自分が10歳のときに沖縄が本土復帰し、沖縄に関心を持った。その50年後に貴重な資料3本立てで復刻を刊行できた。沖縄を愛している一人。沖縄のおかげで一生懸命仕事をしてきたので感無量」と感想を話していた。