歳入歳出総額が減少 県内市町村21年度決算
県市町村課はこのほど、2021年度の県内41市町村決算概要(普通会計分)をまとめた。歳入総額は前年度比808億円(7.8%)減の9534億円、歳出総額は881億円(8.8%)減の9075億円となり、いずれも過去最大規模の前年度から一転して減少した。前年度の新型コロナウイルス対策による一人一律10万円の特別定額給付金が皆減したのに加え、宮古島市総合庁舎整備など大型公共投資などが終了したことが要因とみられる。
市町村別で宮古島市は、歳入が464億8200万円、歳出が441億3400万円で、翌年度繰越分を除いた実質収支は20億7800万円、多良間村は歳入42億1000万円、歳出39億8700万円で実質収支1億7100万円。
人件費や扶助費、公債費などの経常的経費に、地方税や地方交付税、地方贈与税を中心とした経常一般財源がどの程度充てられたかを見る指標で、比率が低いほど臨時的経費に充当できる一般財源に余裕があり、財政構造の弾力性を表わす経常収支比率は、宮古島が83.0%、多良間が74.6%だった。県計(単純平均)は84.5%でほとんどの市町村で依然として硬直している状況だ。
県全体の歳入は国庫支出金が特別定額給付金皆減、コロナ対応の地方創生臨時交付金が減ったため1027億円(26.9%)減の2797億円、地方債は宮古島市総合庁舎終了などのため67億円(10.1%)減の595億円。県支出金は含蜜糖製糖施設近代化施設整備などの減少で51億円(4.6%)減の1043億円。
一方、各種交付金は法人事業税交付金税率の引き上げに伴い55億円(18.0%)増の363億円、地方交付税は地域デジタル社会推進費創設や再算定による追加交付など普通交付税の大幅増で200億円(14.5%)増の1580億円だった。
歳出を性質別に見ると、義務的経費は会計年度任用職員の報酬・期末手当、コロナワクチン接種の勤務手当で人件費が33億円(3.0%)増の1138億円、扶助費が子育て世帯臨時特別給付金が増え431億円(18.0%)増の2829億円、公債費は繰上償還金額が増え26億円(4.7%)増の582億円だった。
投資的経費は、普通建設事業費が沖縄アリーナや新文化芸術発信拠点施設整備などが終了したため169億円(10.8%)減の1395億円。その他経費は、補助費が定額給付金皆減で1475億円(64.9%)減の800億円。