竹井太会長「自粛の徹底で感染者抑制を」
宮古島市では、26日から28日までの3日間で102人の新型コロナウイルス感染者が確認され、地域医療が崩壊の瀬戸際に立たされている。宮古地区医師会の竹井太会長は宮古新報社の取材に応じ、「患者に手が行き届かなくなった」と話す。一刻も速く感染者数を抑え込むために「セルフロックダウン」で外出自粛を徹底する必要性を訴えるとともに、自己免疫力を高め心身ともに健やかに保つことも大切だと指摘。コロナによって個人も社会も宿題を与えられたとし、「危機を乗り越えることでより良い社会を築くチャンスになるはずだ」と述べた。
宮古島市の医療が直面する問題にについて竹井会長は、▽急速な感染拡大で病床が足りなくなるなど地域医療の限界を越えた▽高齢者福祉施設でクラスターが発生し、高齢者の受け入れ先がないため退院できない―の2点を挙げる。
以前なら1日当たり4、5人程度の陽性者であれば宮古島の地域医療だけで対応できたが、今ではそれが不可能になったという。解決策はとにかく感染者を減らすこと。「ウイルスはすでに島にまん延してしまったので、『近づかない』努力をすること」と述べた。医療従事者や小売店の店員など、生活を支える労働者をコロナから守る必要性も指摘した。
一部のガードが甘い市民の行動がコロナ拡大の要因とし、「自分が感染したら家族に移して命を奪ってしまうのではないか、という想像力がない人を減らしていく努力も社会に必要だ」と訴える。
介護士の就労環境を整えて離職を防ぐ手立てが足りていなかったことや、基礎疾患を持つ人や喫煙者の健康リスクがとても高いことについて、本当はコロナの前から問題だったことが、コロナ禍によって著しく露見してしまったと指摘する。「コロナのまん延はあってはならなかったこと」だが、「ピンチはチャンス。コロナ禍で気づいたさまざまな課題に向き合って、より良い社会にするための原動力にしよう。人類は必ずコロナを乗り越えられる」と呼びかけた。
飲み会など感染リスクの高い行動は自粛すべきだが、「天気の良い日は外に出て散歩や日向ぼっこをした方がいい」とも指摘する。マスクや手洗い、うがいといった感染予防も大切だが、「人間が本来持つ自己免疫力が弱まってはいけない」とし、「コロナ鬱にならないよう、今日一日笑えたかなと振り返りながら、自分も周囲も守って生活しよう」と呼び掛けた。