宮古病院、一般外来閉鎖 来月1日まで
新型コロナウイルスの入院患者数急増で病院機能や病床確保がひっ迫していることから、県立宮古病院(本永英治院長)は26日から来月1日まで一般外来を閉鎖する。期間中は電話診療となるが、救急外来などは通常通り受け入れる。今月中旬頃から患者数が急増しており、高齢者施設でのクラスター発生、市中感染の拡大で危機的状況にあるとして市民に会食の自粛など行動変容を呼びかけた。市には「ロックダウンに近い政策を」と感染対策の強化を提言した。
同病院の一般外来閉鎖は初めて。期間中の診療は原則として電話診療となり、対象者には病院から事前に連絡する。化学療法、注射通院、産婦人科の一部、透析、救急は通常通り診療を行う。精神科デイナイトケア、リハビリ外来は中止、訪問診療は継続し、面会は禁止する。今後の感染状況によっては閉鎖期間を延長する。
同病院では25日、コロナ病床36床が一時満床となった。最近は特に60歳以上の高齢の患者が多く、看護師の増員が必要なため一般外来を閉鎖し、コロナ病床に配置。また他病棟の病床を調整して同日午後4時までに47床を準備した。
宮古保健所管内の年齢群別発生状況によると、12月は60代以上の占める割合は11%だったが、1月24日現在では48%と高齢者が増加。陽性判明日、発症日、累積陽性者数は12日頃から上昇傾向にある。
同日、記者会見を行った本永院長は「外来閉鎖は今までにないことで相当な危機感を持っている。患者の増加は院内感染のリスクも増す。患者の重症化と院内感染は何としても避けたい」と述べた。市民に対して「新型コロナは軽症ですむ、自分たちは大丈夫、風邪だと思い込まず、高齢者や基礎疾患のある患者へ感染させるリスクがあることを考えてほしい」と行動変容を訴えた。
ロックダウンについて「強いメッセージにした。島外へ出る、宴会、会食などがずっと続いて変わっていない。もっと自粛してほしい気持ちを込めた。市はぜひ呼びかけてほしい」と語った。