宮古の自然、文化を一冊に 市総合博物館紀要30号を発刊 「研究の最新情報盛り込む」
宮古島市教育委員会の宮城克典教育長らが10日、市役所で会見し、「宮古島市総合博物館紀要第30号」を発刊したと発表した。研究者や学芸員ら15人が執筆し、自然や民俗、歴史など多岐にわたる最新の研究成果を240ページに凝縮。宮城教育長は「執筆者の分野はさまざまで自然分野だけでも植物、鳥類、昆虫類などと幅広い。方言、祭祀行事の記録、宮古の自然、歴史、民俗研究の最新の情報が盛り込められた貴重な一冊となっている。市民をはじめ島内外の皆さんにも活用していただきたい」と呼び掛けた。
同紀要は学芸員ら職員の調査研究や専門家の寄稿と合わせて毎年発刊しているもの。節目となる第30号には、論文や論考など計15編が収録された。
主な内容は
▽琉球王国時代に造成された多良間島の抱護の植生構造に関する調査研究
▽宮古諸島初となるキバナハマヒルガオ、ヨルガオの開花と宮古島初となるアツバアサガオ、多良間島初となるオオバフジボグサの記録
▽佐良浜の祭祀記録「ノート」
▽方言辞典づくりから見えた宮古島方言の特性~方言の内包する表現の豊かさ
▽宮古史を初めて体系化した慶世村恒任著書・論考・年譜
―などが掲載されている。
また、博物館職員による調査、研究の「戦争と子どもたち~学童疎開をめぐる展示実践の記録~」の掲載も注目される。同企画展は紙芝居「戦争と子どもたち~学童そかい~」を基盤に2024年度に平和展を実施し、25年度には(戦時中の)疎開先だった宮崎県小林市で移動平和展を開催した。本稿では一連の展示の概要と成果を報告するとともに展示を通して見えてきた課題と今後の展望について考察したという。
会見には宮城教育長、天久珠江生涯学習部長、総合博物館の平良安史館長が出席。中・高校生らに向けて宮城教育長は「少し難しい内容もあるかもしれないが郷土への関心を高める一冊として活用されることを願っている」と期待を寄せた。
発刊部数は300部。希望者には無料で配布しているが、数に限りがあるため、市ホームページでの閲覧やダウンロードも推奨している。
問い合わせは市総合博物館(73・0567)まで。


