野鼠被害「農家の誇り傷つける」 市、防除面積を倍増へ 市議会一般質問・豊見山氏、実効性ある対策求める 被害深刻な伊良部・下地島など
市議会3月定例会は18日、一般質問を行い、豊見山貴仁氏が伊良部島や下地島を中心に深刻化している野鼠(やそ)による農作物被害について質した。市側は、次年度からサトウキビの全収穫面積に加え、カボチャや甘藷などの園芸作物も含む計5500ヘクタールに対象を拡大し、防除体制を大幅に強化する方針を示した。
豊見山氏は壇上のモニターを使用し、ネズミに食い荒らされ無残に転がるカボチャや、中身を削り取られたサトウキビの被害状況を克明に提示。「丹精込めて育てた作物が、出荷直前に傷つけられ廃棄せざるを得ない。これは単なる収入減の問題ではない」と語気を強めた。
これに対し、下地貴之農林水産部長は、殺鼠剤(さっそざい)の購入・配布事業について大幅な見直しを明言。これまでの2700ヘクタール(キビ面積の2分の1)分から、キビ全域に加えカボチャや甘藷(かんしょ)などの園芸作物も加算した5500ヘクタール分へ予算規模を拡大する。また、配布方法も従来の「市による一斉配布」から、農家の主体性を高めるため、上限50%の購入補助制度へと転換するとのこと。
被害調査の結果についても報告があり、今年1月から2月にかけて伊良部島内のキビ圃場(ほじょう)7地点で行ったサンプリング調査では、収穫前の全地点で食害が確認されたという。
質問の最後、豊見山氏は自らの所感を述べた。伊良部島では40~50年前にも同様の被害があり、当時の伊良部町がイタチを導入して防除に成功した経験則に触れ、「現場では『イタチがいなくなったからネズミが増えたのではないか』といった切実な憶測が飛び交うほど、農家は追い詰められている」と指摘した。
その上で「農産物は農家の誇り。その誇りを守り、今年も作ろうという希望を持てるよう、単なる予算増額に留まらない、現場の皮膚感覚を大切にした実行力のある対策を」と強く結んだ。


