冒頭であいさつする若松課長 =市役所・庁議室

生息域内保全連携強化へ 希少種と外来種対策を協議

 「2025年度希少種保全・外来種問題連絡会議」が16日、市役所で開かれた。環境省や県、市、専門家、民間団体の担当者らが一堂に会し、絶滅の危機に瀕(ひん)するミヤコカナヘビの生息域内保全や、イタチ、インドクジャクといった外来種対策の現状と課題について、最新の活動報告をもとに熱心な意見交換を展開。持続可能な生態系維持に向けた連携を強化した。希少種の生息情報などを含むため、行政機関からの活動報告以降は非公開で行われた。
 同会議は、宮古諸島独自の生態系を維持することを目的に毎年開催されている。会議の冒頭、環境省沖縄奄美自然環境事務所の若松佳紀野生生物課長は「開発が進む中でも貴重な自然が残っている。情報の共有と連携を密にし、研究や知見を保全の推進につなげたい」とあいさつ。
 会議では、環境省沖縄奄美自然環境事務所が、「ミヤコカナヘビの生息域内保全の取組」を報告。特に個体数が激減している伊良部島および下地島グループの保全を「急務」と位置づけ、伊良部島の北部と西部の2地点を候補地に、植生管理や外来種対策を行った上で、域外飼育個体を放逐する再導入試験のスケジュールを提示した。
 外来種対策では、県によるイタチ防除事業の結果、下地島での捕獲数が大幅に減少し「根絶に向けた最終段階」にあることを共有。一方、インドクジャクについては市から昨年末時点で824羽(成体・雛・卵含む)の捕獲実績が報告されたが、伊良部島北部のエリアなどでは依然として生息が確認されており、今後サーマルドローン(温度を可視化するカメラ搭載のドローン)による夜間調査や猟友会との連携による集中捕獲を強化する方針だ。
 また、宮古島で「国内外来種」化しているヤエヤマセマルハコガメについても、希少な陸産貝類などを捕食している現状から、昨年10月に専門家会議を設置。捕獲個体の厳しい防除指針案が示され、市民への普及啓発と並行して対策を進めることが確認された。
 普及啓発面では、市総合博物館から、ミヤコカナヘビの生体展示が2カ月間で3724人の来場を記録したことが報告された。「固有種を守るために何ができるか」といった市民や児童生徒の関心が高まっており、野外観察を通じた教育活動の充実を求める声が上がった。

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