GSEの共用化を開始したJALグループとANAの宮古空港所

宮古空港で効率化の一歩 ANA・JAL 地上機材共用へ本格運用

 JALグループ宮古空港所(萩堂美枝子所長)とANA宮古空港所(玉城健二所長)は11日、宮古空港で地上支援機材(GSE)の共用化を開始したと発表した。ベルトローダー車やハイリフトローダー車、航空機けん引車など主要機材を両社で共同使用し、10月からのトライアル期間を経て、11月17日から本格運用に移行。現在ハイリフトローダー車は調整を進めており、12月末の本格導入を予定している。
 共用の開始には空港の機材を有効活用し運用効率を高めることに加え、環境負荷軽減や作業効率改善への期待から進められてきた経緯がある。その上、同空港では旅客増加や航空機の大型化で機材置場不足が課題となっており、両社が同一スポットで作業する空港特性も後押しした。
 共用するのは、ベルトローダー車がJAL5台とANA4台、ハイリフトローダー車がANA3台とJAL2台、航空機けん引車が両社各2台、けん引車と機体を連携するトーバーなど。機材の重複購入や維持管理費の削減にもつながる取り組みで、全国の空港への展開も期待されている。
 現場ではすでに効果が表れているとのこと。JALのグランドハンドリング業務を担当する伊志嶺勇斗さん(23)は「これまで通り問題なく運用できている。近くの機材が使えるようになり、移動距離も減った」と話す。
 ANAの池田英輝さん(53)も「スポット間の車両移動が省け燃料削減にもつながっている」と手応えを語った。
 萩堂所長は「効率的な機材活用により作業者の負担軽減、作業効率向上、二酸化炭素(CO2)排出量削減を目指す取り組み。ANAさんとの連携で、お客さまにより安定したサービスを提供できる体制を構築したい」と意義を強調。玉城所長は「宮古空港の需要増加や大型機運航により機材置場が逼迫している。両社の共用により作業環境の向上と効率化を図るため本運用に踏み切った」と説明した。
 安全面では、両社共通の運用ルールを設け、各社の安全基準を順守して機材使用時の安全性を確保する。利用者への影響はなく、むしろサービス品質向上につながると見込む。
 両社は今後も地域社会と連携し、持続可能な空港運営の推進を図る方針とのこと。

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