市と住民が膝詰め対話 地域懇談会 平良東西地区が課題直言
宮古島市(嘉数登市長)は21日、市役所で平良東西地区対象の地域懇談会を開き、久松、鏡原らの自治会やPTA、体協らが参加し、市長、副市長、教育長、各部局長らと地域課題を共有した。市は事前アンケートを基に不法投棄対策や学校施設の老朽化、道路冠水、交通安全、共有地名義変更など多岐にわたる要望へ回答。即応可能な案件は関係課と連携して対応し、長期的な課題は総合計画に反映する方針を示した。
今年度は市街地に近い同地区を対象に、地域の現状と課題を共有し、市と住民が協働で地域づくりを進めることを目的として開催された。
嘉数市長は「住民の声を市政に反映する重要な場。昨年度は多くの要望が予算化や改善につながった」と説明。久松、鏡原地区が人口維持や増加傾向にある点を挙げ、「地域の特性を生かした取り組みが成果を上げている」と評価した。
また「どんな小さな声でも市政に反映できるよう努める」と述べ、意見交換への積極的な参加を呼び掛けた。
久松地区からは、空港線周辺のレンタカー交通増加に伴う事故多発への懸念が示された。陸橋案に対して都市計画課は「費用対効果の面から困難」とした一方で、来間島で実施している集落外進入禁止の看板設置例を紹介し、地域と連携して検討を促した。
鏡原中PTAからは、校舎や体育館の老朽化が深刻として「建て替え検討」の要望が出た。教育施設課は「2022年度の耐力度調査では基準に達しておらず建て替えは困難」としつつ、「28年度に大規模改修の設計、29~30年度に工事を行う予定」と示した。体育館の雨漏りについては現場確認の上で対応する考えを示した。
盛加自治会からは、公民館周辺の不法投棄や夜間に中高生がたむろする問題が挙げられた。市環境保全課は「不法投棄防止の看板設置が可能」と回答し、生涯学習振興課は「警察と連携し、時間帯などの情報があれば定期パトロールで確認できる」と説明した。
細竹からは「旧自治会委員名義の土地を地縁団体へ移転する際の支援」を求める声が上がり、財政課は「手続きや必要書類の相談に応じる」とした。
七原地区からは、学校周辺道路の冠水解消を求める要望があり、市道路建設課は「主因は学校敷地からの雨水流出」と説明。教育施設課と連携し、敷地内処理の方法を検討する方針を示した。
懇談の終盤では自由意見交換が行われ、防犯灯設置や見通し改善のための伐採など、追加の要望が直接市へ伝えられた。市は「現場確認のうえ検討する」と応じ、地域との協働姿勢を示した。
今回出された要望や提案は、実施可能なものは各担当課が随時対応し、長期的な案件は市総合計画などの施策に反映される予定で、地域課題の解決へ向けた官民協働の取り組みが進められるとのこと。


