行政経営会議は公共施設の統廃合・更新・長寿命化などを専門的視点から検討する =6日、市役所2階・会議室

公共施設の未来を議論 資産リストラで財政健全化へ 第1回行政経営会議を開催

 宮古島市は6日、市役所で第1回行政経営会議を開いた。市制施行20周年を機に設置された新たな諮問機関で、外部委員を中心に公共施設の統廃合・更新・長寿命化などを専門的視点から検討する目的。初会合では委員長に千葉商科大学総合政策学部准教授の藏田幸三氏を選出、副委員長には地方自治体公民連携研究財団常務理事の山﨑正美氏を選任した。砂川朗副市長が市長代理として諮問書を手交し「外部識者の意見を取り入れ、市の財政健全化と持続可能な行政運営につなげたい」と述べた。

砂川副市長(左)から諮問書が手交された藏田委員長


 同会議は、嘉数市長の施政方針のうち、「新しい行財政改革」にあたる。人口増とともに公共施設の維持費が増大する中、限られた財源を効率的に活用するための「資産リストラ」を推進するために設けられた枠組みだ。2016年度に策定された市の公共施設総合管理計画および個別施設計画に基づき、施設の更新、売却、解体、維持方針を検討し、自治体経営の効率性を向上させるための諮問機関に位置付けられる。
 行政経営課はそういった重要課題に対し迅速に実行が求められることから本年度設置された。同課の資料によると、市の住民1人当たり行政コストは全国類似団体の中で2位、物件費(施設維持管理費)は全国平均を大きく上回る水準にあり、単純更新した場合、2051年までに約998億円の経費が必要と試算されている。
 この日の会議では、委員から所管課へのヒアリング形式で5課9施設について意見交換を実施。施設別行政コスト計算書を基に、利用率や老朽化状況、統廃合・民間活用の可能性などが議論された。
 委員は藏田氏、山﨑氏のほか、伊良部商工会事務局代表の伊波幸則氏、税理士法人諸井会計の齋藤栄氏、KAZUデンタルクリニック院長の平良和枝氏、沖縄銀行宮古支店長の豊里哲充氏、宮古島商工会議所の根路銘康文会頭、沖縄県宅地建物取引業協会宮古地区業者会の宮國寿成会長の8人で構成される。
 今後のスケジュールとして、第2回会議(12月25日開催予定)では、今回の意見交換を踏まえ施設ごとのあり方や機能判定の適合性を議論し、第3回会議(来年2月予定)で答申を取りまとめ、市に提言する方針とのこと。
 砂川副市長は「単に施設を減らすのではなく、市民生活の質を守りながら持続可能な公共施設運営を目指す議論を」と呼びかけた。

関連記事一覧