 
					「街が汚れれば海も汚れる」大型ごみ箱設置で効果検証パイナガマに12月まで
 (一社)海と日本PROJECTin沖縄県の喜友名毅事務局長らは31日、市役所に嘉数登市長を訪ね、市内3地区で実施した街ごみ調査の結果を報告した。調査によると宮古島では東屋や駐車場に多様なごみが集中し、特に市街地ではタバコのぽい捨てが最多であることが判明。調査結果を受け、事務局の琉球放送(RBC)はパイナガマに大型ごみ箱を設置し、12月中旬まで効果を検証する。
 報告には事務局の宮城恵介さん、野上大介さん、海の環境ネットワーク事務局長の春川京子さん、宮古の海をキレイにし隊の隊長を務める井上美香さんらも同行した。
 調査は6月下旬、パイナガマビーチ、市街地(西里・下里・中央通り)、あたらす市場裏通りで実施。100㍍ごとのごみを種類別に計測したところ、市街地では全体の約8割がタバコ関連で、喫煙所の少なさや認知不足が課題として浮上した。
 そのうち、あたらす市場裏通りでは220㍍の区間に1146個(100㍍あたり約530個)と突出して多く、繁華街と比べても高い数値を示した。その現状を踏まえ、宮城さんは「繁華街から離れた場所で『ここに捨てても大丈夫』と思っている人もいるのではないか。コンビニ弁当を袋ごと捨てるなど、ある程度習慣化した不法投棄の実態が見えてきた。さらに詳細をまとめ、年度末に報告したい」と述べた。
 さらに、街に散乱するごみの9割がコンビニ商品であり、那覇市国際通りの調査でも同様の傾向が見られたとのことで、街のごみが海洋ごみの発生源となる構造は共通しているという。パイナガマビーチでは対策の一環として大型ごみ箱が設置され、年内をめどに効果検証が進められる。
 春川さんは「海のごみの6割は街から出ている。市民が自分たちの行動を見直すことが第一歩」と強調し、井上さんも「行政と連携して、環境意識を『見える化』したい」と言及した。
 報告を受けた嘉数市長は「産業廃棄物を含め、市内全体のごみの量が多いのは承知している。データで可視化してもらえたのはありがたい」と取り組みをねぎらった。
 その上で「宮古島の持続可能性を考える上で環境意識は重要。少し意識を変えるだけで島内のごみは格段に減る。自分さえよければという考えを改め、行政と市民が連携して取り組みたい」と意欲を示し、「海は美しいのに島が汚いとなれば風評被害やブランド力の低下にもつながる。今回の調査結果は、市民の意識づくりのスタートラインになる」と今後の連携に前向きな態度を示した。
 喜友名事務局長は「今回の取り組みをきっかけに、行政や地域の皆さんと協力しながら、より実効性のある活動を続けていきたい」と話した。調査チームは年末に再度現地を訪れ、設置効果やごみ量の変化を報告する予定だという。



 
							 
							 
							 
							 
							 
							 
							