
20日から自衛隊統合演習 市HPで演習内容公開 住民への影響配慮し実動
宮古島市は沖縄防衛局から提供を受けた「2025年度自衛隊統合演習(実動演習)」に関する情報を市公式ホームページで公開している。演習は20日から31日まで全国規模で実施され、陸・海・空の自衛隊が連携して有事対応能力を高める目的で実施される。宮古島ではPFI船舶を用いた「物資輸送訓練」のほか、「統合電磁波作戦訓練」「統合通信訓練」が予定されている。
統合演習は陸・海・空自衛隊が共同で行う大規模実動訓練。防衛省統合幕僚監部によると期間中、全国約5万2千人規模の自衛隊員が参加し、航空機約310機、艦艇約60隻が投入され、統合運用体制の維持と即応力強化を図る。米軍や豪軍も一部参加し、連携強化を確認する狙いがある。
そのうち、宮古島では20日から29日まで部隊・装備品を輸送する「統合後方運用(物資輸送訓練)」を実施。北海道から愛知、大分、鹿児島を経由し、県内の中城湾港、平良港、石垣港へPAC3発射機やレーダー装置、燃料タンク車などをPFI船舶により輸送する。平良港では蒲郡港から乗船した空自部隊の中部高射群第15高射隊が下船して訓練を行う。
21日から29日までは、県内3カ所の駐屯地(宮古島のほか知念、与那国)で「統合電磁波作戦訓練」を実施する。四国沖訓練海空域で行われる統合対艦戦闘訓練および水陸両用作戦訓練と連携して行うもので、電子戦部隊による電波状況の確認が目的。約15人規模の部隊が「NEWS(ネットワーク電子戦システム)」車両などを展開し、早朝から夜間まで電波発射を伴う試験を行う。ただし、住民生活や民間機の運航に影響しない周波数を使用し、早朝、夜間や土日は訓練を行わないとしている。
24日から31日にかけて行う「統合通信訓練」は通信体制の信頼性向上を目的としており、実際の災害対応や防衛出動時を想定した通信ルートの確保を検証する内容とのこと。
陸海の通信部隊が石垣、宮古、与那国の各島に展開し、離島間を結ぶ通信回線を構築する実動訓練で、陸自西部方面システム通信群約30人(車両12両)と海自システム通信隊群約15人(5両)が宮古島、石垣島、与那国の各駐屯地のほか、伊野田漁港、前勢岳展望台、東崎展望台、アヤミハビル嶺駐車場などを使用して通信で中継し、衛星通信装置を用いた通信網構築や、他地域とのデータ連携確認を行う。隊員は民間航空機で移動し、通信機材や車両は貨物船で搬送される計画とのこと。
宮古島では31日に海自システム通信隊群が陸自宮古島駐屯地と空自宮古島分屯基地を結ぶ通信網を展開する。
沖縄防衛局は「訓練は国民の安全・安心の確保に資するものであり、住民生活に影響のないよう十分に配慮して実施する」と説明している。
演習に関する問い合わせは沖縄防衛局(098・921・8181)で受け付けている。