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安全5か条で呼び掛け 台風、旧盆前後の海の掟 海難件数減も死者4人 25年8月末の速報値

 宮古島海上保安部はこのほど、2025年8月末までの海難事故の発生状況をまとめた。それによると1月から8月までに計13件発生し、このうち4人が死亡。前年同期(19件、死者5人)に比べ事故件数は減少したものの、依然として死亡事故が発生しており、同保安部は「事故は減っても、命を落とすケースが続いている」と警鐘を鳴らし、海浜利用の安全対策を徹底するよう呼びかけている。
 速報値によると1月から8月末までの海難人身事故発生状況は24年は28人、25年は17人。発生件数の月別推移を見ると、夏場に集中しており、前年は7月2件、8月6件、今年は7月2件、8月7件。特に8月は観光シーズンと重なり事故が増加。年間を通じると24年は12月までに計31件が確認されており、依然として夏場を中心に海難事故が多発する傾向となっている。
 事故の種別では、スノーケリングが5件と最多で、ダイビング1件、遊泳中1件、釣り中1件、SUP1件となり、トライアスロンや素潜り中など「その他」は3人とのこと。
 また、事故者別では昨年は島外で17人、島内で2人、今年は島外9人、島内4人が海難被害に遭い、島外客が大半を占めている。
 これについて伊良部漁業協同組合の関係者は「島内の人は昔から『台風』『旧盆』の前後1週間は海に近づかないし、それに関係なく行ってはいけない海岸なども教えられてきた。今はそのことを観光客に教える人もおらず、ホテルやマリン関係者も知らないこと、知らないふりをすることが事故の要因にあると思う」と警鐘を鳴らした。
 死亡者数は前年同期の5人から今年は4人に減ったものの、発生件数自体が少ない中での死者数であり、致死率は上昇している。同保安部は「気象条件や体調不良に加え、単独行動や救命胴衣未着用が事故につながる」と注意を喚起している。
 また、観光客や地元住民に向けて「宮古の海を安全に!最高に!楽しく過ごす安全5か条」を掲示。①体調管理を行おう②天気予報を確認しよう③複数人で行動しよう④連絡手段を確保しよう⑤救命胴衣を着用しよう―を強調し、「一人での遊泳や無理な素潜りは避け、家族や仲間で声を掛け合って安全確認を徹底してほしい」と呼びかけている。
 事故防止に関する相談や問い合わせは、宮古島海上保安部(宮古島市平良西里7の21平良港湾事務所内、℡72・0118、FAX72・8407)で受け付けている。

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