
子どもたちに平等な機会を 島の子未来応援基金が始動
島の子どもたちの学びや挑戦を後押しする(一社)「島の子未来応援基金」が8月22日に設立され、5日には市役所で記者会見が開かれた。会長にアートアベニューグループ代表の藤澤雅義氏が就任。嘉数登市長も同席し「子育て応援宣言を具体化する取り組み」と評価した。設立趣旨に賛同する市民や企業の輪を広げながら、地域一体で島の未来を担う人材を育てていく考えだ。
同法人副会長には根路銘康文氏(宮古ビル管理代表)、下地信輔氏(筑登之屋商店代表)、濱元雅浩氏(はまもと)がそれぞれ就任し、会見で概要を説明した。
それによると同基金は、経済的な事情に左右されず子どもたちが学び続け、挑戦する力を育むことを目的に、会員・賛助会員の寄付を基盤に運営されるとのこと。
奨学金制度として2つの枠を設け、A枠「学力向上応援支援金」は、宮古島の高校に在籍または卒業し「全国統一高校生テスト(全学年統一部門)」を受験できる者を対象に、宮古地区で最優秀の成績を収めた1人に100万円を給付。B枠「チャレンジ応援支援金」は、進学、留学、研究、芸術、スポーツなどに挑戦する強い意欲を持つ市に現住所を有する2006年4月2日~10年4月1日生まれの高校生世代を対象に、小論文とプレゼン審査を経て若干名に50万円を給付する。いずれも返済不要で、経済格差を超えて子どもたちに平等な機会を保障する狙いだ。
藤澤会長は「学力を高めること、挑戦する力を養うことは未来を切り開く大きな原動力になる。子どもたちに誇りを持って羽ばたいてほしい」と述べ「この趣旨に賛同していただける宮古の経済人また個人の方々からの応援をお願いしたい。これは、島の未来のための投資だ」と強く訴えた。
根路銘副会長は「市内すべての高校から多くの生徒に応募してほしい。企業への呼びかけも進めていく」と語った。
嘉数市長は「本市の子育て環境には経済的課題を含む多様な問題がある。民間からの支援の広がりは心強い。挑戦する力を子どものうちに獲得してほしい」と期待を寄せた。
基金の会員年会費は5万円から50万円まで4コースが設けられ、寄付者は給付翌年度に開催される奨学金受給者による「現況報告会」(2025年度報告会は26年夏開催予定)に参加でき、集まった資金は子どもたちに還元される。詳細はQRコード先の公式サイトで公開されている。
