
心と体を守る誓い新た 宮古地区労働衛生大会 労使一丸で安心な職場へ
10月1日から7日までの第76回全国労働衛生週間を前に労働者の安全と健康の確保を目的とした2025年度宮古地区労働衛生大会が3日、市未来創造センターで開かれた。関係団体や事業所関係者らが参加し、「ワーク・ライフ・バランスに意識を向けてストレスチェックで健康職場」をスローガンに掲げ、労使一丸となった積極的な心身の健康づくりへの理解を深め、決意を新たにした。
大会は沖縄県労働基準協会宮古支部、建設業労働災害防止協会沖縄県支部宮古分会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会沖縄総支部宮古支部、陸上貨物運送事業労働災害防止協会沖縄県支部宮古分会が主催。
開会にあたり、沖縄県労働基準協会宮古支部の渡真利勝支部長が「心と体の健康を大切にしよう。職場環境の改善を進めることで、安心して働ける社会をつくっていきたい」と決意を示した。
来賓として宮古労働基準監督署の瀬底正亮署長が「衛生大会は自らの健康や働き方、整理整頓・清掃といった衛生管理を振り返る場。特に今年は例年以上の酷暑が続き、全国で熱中症事例も報告されている」と強調。「引き続き予防に努め、労働者が安心して働ける環境を整えてほしい」と呼びかけた。
また同労基署の中野哲太郎監督官が、労働衛生週間の趣旨として健康診断による疾病予防や過重労働対策、メンタルヘルスの推進などについて説明。特別講話では、宮古島市福祉部障がい福祉課の保健師が「誰も自殺に追い込まれることのない宮古島市を目指して」と題し、市の自殺予防施策を紹介した。
その中で中野監督官は宮古地域では20代男性や60歳以上男性の自殺率が全国より高い現状に触れ、身体疾患や精神疾患が主な要因となっていると説明。その上で、26年度までに自殺を約30%減少させる目標を掲げ「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を目指していることを明かした。
さらに、全国健康保険協会沖縄支部の橋口尚幸保健グループ長が「健診結果から始める健康づくり」をテーマに講話。協会けんぽが把握する健診データでは約9割の受診者に何らかの健康課題があると指摘し、健診の目的や活用方法を解説。「健診結果を生活習慣の改善につなげ、健康増進に役立ててほしい」と呼び掛けた。
最後に港湾貨物運送事業労働災害防止協会沖縄総支部宮古支部の徳村政治支部長が「健康であることは働く上での基本。誰もが安心して健康に働ける職場を築こう」と大会宣言を行い、参加者全員で指差し唱和して大会を締めくくった。