定期総会を開き25年度の取り組みを確認した =31日、宮古南静園総合棟・講堂

差別なき社会へ決意新た ハンセン病市民NW総会 歴史の教訓を次世代へ

 ハンセン病と人権市民ネットワーク宮古の2025年度定期総会が31日、宮古南静園総合棟で開かれた。会員や関係者らが出席し、24年度事業および活動報告や25年度事業計画報告を審議し、原案通り可決。また、任期満了に伴う役員改選では共同代表に知念正勝さんと亀濱玲子さんを再任した。開会のあいさつで知念さんは「地域の皆さんの理解と協力があってこそ取り組みを進めることができる」と語り、今後も粘り強く活動していく姿勢を示した。
 議事では、昨年度の活動として南静園資料館委託事業をはじめ、ハンセン病問題啓発や入所者自治会支援、退所者や家族支援などが報告された。特に、教育旅行や学校での平和・人権学習の受け入れ、ハンセン病歴史資料館の充実に注力したことが紹介され、理解促進と人権啓発に一定の成果を上げたことが示された。
 25年度の事業計画では、啓発活動の一環として、ハンセン病と人権を考える講話や資料館ガイド活動、南静園入所者自治会の支援などを柱に据える方針が示された。
 今後も教育旅行や講演活動を通して広い世代に正しい歴史認識を伝えるとともに、差別や偏見のない社会づくりに取り組み、隔離政策と宮古南静園の歴史を伝える活動を行う方針を確認した。
 総会後には、琉球大学人文社会学部教授でハンセン病問題ネットワーク沖縄の森川恭剛代表が「旧優生保護法とハンセン病隔離政策」と題して講話。関係者らは政策の歴史的背景と課題について決意を新たにした。
 25年度役員は次の通り。
【理事】共同代表=知念正勝、亀濱玲子▽事務局長=島尻誠▽会計=池間美津枝
【役員】事務局次長=奥平光子▽書記=砂川洋子、小路千恵子▽運営委員=池村源盛▽島尻敏雄▽西里馨▽真栄里隆代▽島尻優美子▽下地茜▽新里光男▽亀浜大生▽砂川洋子▽小路千恵子▽栗蔵直美
【監査】=長濱博文、古波蔵芳江(敬称略)

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