
海と地域を結ぶまつり パヤオの日 関心深まる多彩な催し
第16回パヤオの日まつり(宮古地区パヤオ管理運営委員会主催)が20日、佐良浜漁港内広場で開かれ、地元住民や観光客らでにぎわった。会場には家族連れの姿も多く、マグロ解体ショーやタッチプール、鮮魚販売など多彩な催しが繰り広げられ、来場者は日頃はできない体験を楽しむとともに新鮮な魚を味わいながら、パヤオへの関心を深めた。また新鮮な海産物の販売なども行われ、多くの人たちが買い求める姿が見られた。
イベントの目玉となったのは、伊良部漁業組合によるキハダマグロの解体ショー。重さ35㌔の大物が登場すると、見物客からどよめきが起こった。
このマグロは宮古島漁協所属船「恵眞丸」が水揚げしたもので、迫力ある包丁さばきに子どもたちも興味津々。観客の多くがスマートフォンを構えて動画や写真を撮影し、さばき終えたマグロは刺し身にして来場者にふるまわれた。
会場では飲食ブースも充実。地元特産のもずくをはじめ、イカステーキや天ぷら、フィッシュバーガーなどが販売され、買い求める人の列ができた。また、自衛隊によるカレーの無料配布も行われ、熱気に包まれた会場で多くの人が舌鼓を打った。
体験型イベントも人気を集めた。「宮古島サンゴ礁ガイドのなかまたち」のブースでは、ナマコやヒトデに触れられるタッチプールが設置され、ノコギリガニやクルマエビ、逆さクラゲが泳ぐ水槽も展示。カニが箱から逃げ出すハプニングもあったが、子どもたちは阿鼻叫喚しながらも楽しんでいた。
さらに、渦を巻いて泳ぐジャコ(グルクンの稚魚)を捕まえる体験も行われた。カツオ船の漁で使う重要な役割をもつ魚で、伊良部漁業組合関係者は「漁業に興味を持つきっかけにしてほしい」と話した。会場には親子で挑戦する姿が目立ち、バケツに捕まえたジャコを誇らしげに見せる子どもたちの笑顔が印象的だった。
同委員会は「パヤオの秩序ある利用」を推進するとともにパヤオ漁業を振興し、漁家経営の安定を期すことを目的に2007年、8月8日を「パヤオの日」に制定。パヤオの日まつりは、沖縄県内で初めて洋上漁礁「パヤオ」を設置した1982年を記念して始まった。以来、地域の漁業振興と海洋資源への理解を深める場として続けられており、今年も漁業文化に触れる貴重な一日となった。