
資料室も秘書もネット上に DXへグーグルのすゝめ 実践の鍵「共有と連携」
小規模事業者の業務効率化を支援する「ビジネスを強くするIT・AI活用講座」の第3回が15日、宮古島商工会議所で開催された。第1回でも講師を担ったDX学校宮古島校の砂川綾香さんが「GOOGLE(グーグル)で最速『会社まるごとデジタル化』」をテーマに、生成AIや各種ツールを活用した業務の可視化および共有化の手法を紹介し、参加者らが実際に共同編集で「共有すること」と「連携できること」を体験した。

講座には報道を見て初参加した人も5~6人と、回を重ねるごとに関心が高まっている。砂川さんは、進学を機に上京し、2022年にUターン。24年10月に開校し、中小企業や個人事業主を対象にデジタル化支援とIT人材の育成を行っている。
講座では、グーグルアプリ群を「インターネット上の事務所」と位置づけ、「ドライブは資料室、ミートは会議室、Gemini(ジェミニ)やNotebookLMなど生成AIツールは秘書の役割を担う」と解説。データの保管・共有・分析が一元化できることが最大の強みであり、事業のDX化に有効だと訴えた。
参加者の一部はGメールなどの活用経験があったが、グーグルのツール群全体を活用している例は少なく、今回は「共有と連携」に焦点を当てた内容となった。
ワークでは、フォーム作成による情報収集や、スプレッドシートの共同編集を通じた即時反映の利便性を体験。誰がいつ、どのように編集したかの履歴確認機能などについて説明があった。
さらに有料版「ワークスペース」の導入により、組織内の業務フローが一元管理できるメリットも紹介。砂川さんは「資料室や会議室、スケジュール帳、秘書機能を備えており、費用対効果と質の高い投資」と強調した。
会議ツールのMeet(ミート)活用についても、事前準備が不要でカレンダーと連携できる利便性や、生成AIの発達による自動文字起こし、同時翻訳機能などの進化に言及した。
砂川さんは「グーグルツールは連動性に優れ、デジタル化を目指す事業者にとっては理想的な環境が整っている。まずは無料版から触れてみて、自分の業務に合った使い方を見つけてほしい」と呼びかけた。