子ども議会で一般質問に立つ中学生ら =市議会議場

中学生22人が議会体験 子ども議会 空き家対策など質問

 宮古島市子ども議会(林龍真議長)が30日、市議会議場で行われ、中学生の議員22人が一般質問で空き家対策、家賃、ゴミ問題、学校設備の修繕などについて質問した。空き家対策では嘉数登市長が「空き家は個人的な財産なので市だけではリフォームや貸出はできない。管理を行う民間事業者と一緒になって活用方法を考えていきたい」と答弁した。議場には保護者も詰めかけ、当局とのやり取りを見守った。
 午後1時半に開会した子ども議会は、議長選挙などのあと一般質問が行われた。生徒たちは緊張気味ながらも堂々と質問し、嘉数市長ら当局も丁寧に答えた。
 トップで立った豊田遥音さん(西辺3年)は、地域活性化のための空き家対策について質問。「全国的に問題になっている空き家だが、西辺の地域でも高齢化が進んでいる。このままでは住みにくい地域になり過疎化が進んでしまうのではないかと心配。そうならないよう空き家を活用し、子どもたちが安全に遊び、地域の人たちが集まれる交流の場に活用できないか」と聞いた。
 嘉数市長は「(調査によると)昨年の空き家は813件。管理されていない空き家を上手に活用できれば足りない住宅問題を解決につなげることができる」と述べ、空き家を管理する民間事業者と連携した取り組みを説明した。
 家賃について質問した松川藍丸さん(下地2年)は「リゾート開発が進み土地が高騰している中でアパートやマンションの家賃も高騰している。この状態をどう考えているか」と質問した。
 砂川朗副市長は「これから宮古島に住みたいと考えている若い人たちが家賃が高くて住めないと思ってしまう状況は好ましくない。市ではできるだけ家賃が高くならないように市有地を活用した住宅の整備や国の補助金の使い方などを含めてしっかりと対策を考えていきたい」と答弁した。
 このほか登下校の安全、道路の冠水問題、観光客増加関連問題、ごみ問題、生徒用デジタル教科書の導入、検定試験の補助金、小・中学校の体育館クーラー設置、50㍍プール、クジャクによる農業被害の対策、学校給食の改善、学校での熱中症対策などについても質問した。
 一般質問の前に主催者の宮城克典教育長は「議員の皆さんには日頃、感じている身の周りや学校、地域の課題などについて学校の代表として問題提起してほしい」などと述べた。嘉数市長、平良敏夫市議会議長も生徒たちを激励した。

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