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一時預かり事業の制度拡充について発表する嘉数市長 =市役所・庁議室

一時預かり支援、次年度から拡充へ 子育て世帯の声を政策に反映 市民参加型のWSで集約 市長、会見で方向性示す

 宮古島市は18日、市役所で会見を開き、嘉数登市長が一時預かり事業に関する支援拡充の方針を明らかにした。増加する子育て支援ニーズに応えるため、職員処遇の改善と突発的利用への対応を盛り込んだ施策を、2026年度から段階的に実施する。嘉数市長は「現場の声に耳を傾け、ピンポイントな政策を形にしたい」と強調。今後策定が進められる「子育て支援条例」と連動し、意見を反映した制度構築を目指すとした。
 会見で嘉数市長は背景について、観光業拡大や転入者増加に伴う社会変化があると述べ、特にIターン者やフリーランスなど多様な働き方が広がるなか、身近に親族の支援を受けられない世帯が増えており、従来の保育制度の枠に収まらない一時預かりの需要が急増しているとした。
 現在、市内では西城保育所(公営)のほか、補助対象のtetoteを含む民間施設3カ所が一時預かりを実施しているが、そのうちtetoteでは定員の5~6割程度しか受け入れられず、キャンセル待ちが常態化。突発的な利用も困難な状況にあるという。スタッフ確保も厳しく、現行制度では処遇改善加算の対象外であることが大きな要因とされる。
 市の対応方針としては、まず26年度から処遇改善に向けた新たな支援制度を導入し、勤務年数や役職に応じて賃金加算することで人材確保を促す。また27年度以降は、体調不良や冠婚葬祭など緊急時の利用に対応可能な体制整備を検討するとのこと。
 嘉数市長は「自分が子育てをしていた時と今とではニーズがまるで違う。一時預かりは保育園の隙間を埋める大切なサービス。移住者が多い宮古島においては特に重要であり、現場の声に耳を傾け、ピンポイントな政策を形にしたい」と強調し「予算を伴う事業なので26年度の新規事業として位置付け、子育て支援条例の議論の中で優先順位を整理したい」との考えを示した。
 市では8月にワークショップ委託を提案し、9~10月に市民参加型のワークショップを開催する予定。集約した意見をもとに審議会を経て、年度内に条例案を議会へ提出する見通し。
 嘉数市長は「この報道を見た子育て世帯の皆さんには、ぜひ声を届けてほしい」と呼びかけた。

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