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カキ養殖実証事業の質疑で答弁する嘉数市長 =市議会

カキ養殖可能性へ調査 基礎データー収集 6月市議会議案質疑 26年度には養殖実験

 開会中の宮古島市議会(平良敏夫議長)6月定例会は13日、一般会計補正予算など提出議案に対する質疑が行われた。久貝美奈子氏らが質問した水産業振興費のカキ養殖実証事業は水深が浅い海域に適した養殖可能性調査を行い、水や塩分濃度など基礎データーを収集する。宮古島漁業協同組合の若い組合員らがカキ養殖に関心を示しており、これに応える形で市は今年度から実証事業に乗り出す。2026年度途中からは海面の養殖実験も予定している。
 カキ養殖実証事業は久貝氏、長崎富夫氏、下地信男氏。山里雅彦氏が質問し、下地貴之農林水産部長が答弁した。
 一般会計補正予算案の同事業は1590万3000円を計上。久貝氏の事業内容の質問に「カキの養殖実験可能性調査で周辺海域における基礎データーの収集を行う。具体的には民間の専門事業者のアドバイスを受けながら周辺海域の育成環境のデーター収集、水や塩分濃度などのデーターを集めて分析、管理を行っていく」と述べた。
 長崎氏は「県内でカキ養殖の成功事例が新聞で紹介されており、宮古でも有望な水産業振興事業だと思っている。ぜひ進めていただきたい」と後押しした。
 下地氏も「漁協がやりたいということに踏み込んだ予算計上。水産業の多角化へのトライは理解できる」と賛同。また「水産業に関わる人たちは期待している。観光客が増えていくなかで人気も出てくる」と期待を込めた。
 山里氏は、実証場所や漁協との協力体制などを聞いた。これに下地農林水産部長は「実証場所は決まっていないが、宮古島漁協の管轄海域を予定している。組合とは協力体制の構築化ということで一緒に取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を見せた。
 質問のなかで答弁に立った嘉数登市長は「新たな水産業養殖の戦略的な価値はかなり高い。資源観光だけでなく食の観光でもPRできる。なによりもカキ養殖にチャレンジしたいという若者がいることは非常に大きい」と述べた。
 このほか農業振興費のさとうきび収穫機械機能向上支援事業補助金、基幹統計費の国勢調査、老人福祉施設費のきゃーぎ移転事業費などについての質疑もあった。

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