
イシクラゲ栽培に成功 品質、安定生産目指す MAC宮古ファームで検討重ねる
マイクロアルジェコーポレーション(MAC・竹中裕行社長)は、岐阜の研究所と城辺の浦底漁港側のMAC宮古ファーム(仲宗根宏政ファーム長)で検討してきたイシクラゲの栽培に成功した。宮古島の野生から採った種を人工芝上で栽培しており、散水と天地返しなど作業しながら収穫する。10日に説明した竹中社長は「成功したが屋外の栽培なので(今後)1年かけて検討し、安定的に品質の良いイシクラゲを育てたい」と話した。イシクラゲはコレステロール上昇抑制作用や抗菌作用などの報告があり、同社では食用の販売を目指している。
イシクラゲは全国各地で食用とされてきており、沖縄本島では「モーアーサ」、宮古島では「ヌイージュ」と呼ばれて祝い事などで利用されてきた。今でも採取された野生のイシクラゲが市場で「陸のり」として販売されている。
そのイシクラゲに注目した竹中社長は「台湾でのイシクラゲ栽培法を手本に検討を重ね、竜谷大学や信州大学と共同研究で指導を受けながら宮古ファームで栽培ができるようになった」と話した。
宮古ファームでの栽培は当初、中国のイシクラゲを輸入し使っていたが今は宮古島の野生から種を取り栽培している。
現場で栽培している仲宗根ファーム長は、人工芝に撒く前の種や人工芝上の種にスプリンクラーで散水されている状態など施設を案内し、屋外での栽培は散水と天地返しが重要であることなども話した。
栽培に成功したが品質の良い安定栽培には季節ごとのデーター収集が欠かせないとして1年かけた検討を続けるという。
竹中社長は「来年には(施設を)拡張して本格的な栽培に入りたい。そのためには1年間で季節の変動にどう対応していくかのデーターを取っていかなければいけない」と語った。また「安定栽培まではサプリメントにイシクラゲを利用したい。今までは海外を使っていたが宮古島産に置き換えたい」などと話した。
説明では、イシクラゲの生理作用としてコレステロール上昇抑制作用(糖質代謝)、細菌感染防御作用、抗菌作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用、がん細胞増殖抑制作用も示した。