
耕作継続を県、市に 下地島農家の会 総会で活動方針を確認 9日に地域説明会
「下地島での耕作の継続を要求する農家の会」の通常総会が5月31日、市伊良部地区東区改善センターで開催され、農家や関係者ら約50人が出席した。総会では2024年度の活動報告や25年度の活動方針、任期満了に伴う役員改選など5議案を審議し、原案通り承認した。会長には山里英也氏を再任。山里会長は「下地島で農業を継続していく方向性をしっかりと見出していかないといけない。地域の農業振興のために頑張っていきたい」と意気込みを語った。
下地島では1971年の一括買い上げ以降、県使用まで耕作を認める確認書を交わし、農地利用が認められ50年以上にわたり、耕作と地場産業が営まれてきた。
県は2021年に約170軒の農家に対し、下地島で耕作地となっている279㌶を全面観光ゾーンにするとして24年3月末までの明け渡しを求めていた。農家側は全面明け渡しとなれば、年間2億円以上の農業生産(地場産業)を失うことから市や県に対し、耕作継続と農業ゾーン設定を求めていた。
その後、明け渡し期限を25年3月末にした県は昨年8月に説明会を開き、意向調査なども実施して98%が耕作継続を希望したことなどもあり、観光事業者を取り下げ、期限を28年3月末までなどととした。また12月には同団体代表と意見交換会を開き「段階的な明け渡し」を方針として示した。
25年度の活動計画では、利活用計画第4期事業として農業ゾーン設置や85㌶ゾーンの基盤整備推進を県や市に求めていく。さらに農業ゾーン計画構想の策定や区画整理後の農地配分案作成も進め、農家の意向を丁寧に集約する。6月9日には宮古島農業振興地域整備計画全体見直し地域説明会が予定されており、今後は2回目の県と代表の意見交換会や農家説明会を段階的に求めていく計画だという。
役員改選では、24年度に引き続き山里会長が就任することが決まった。一方で、今後は若い世代の役員を増やしていく方針も示され、組織の活性化と次世代への継承に向けた取り組みが進められる見通しとなっている。
本年度も農家の声を集めつつ、地域農業の継続と発展に向けた取り組みを続ける方針とのこと。
25年度役員は次の通り。
【会長】山里英也【副会長】伊佐義博▽池間弘【事務局長】近角敏通【顧問】喜友名弘一【監査役】手登根正吉(敬称略)