
平和へのバトン継承 戦後80年で「みる」「きく」「よむ」 市総合博物館で市制20周年記念事業
宮古島市総合博物館(平良安史館長)では、市制施行20周年記念事業として平和展「未来を創る君たちへ」が14日から始まった。戦後80年の節目にあたる本年に戦争体験者の貴重な証言や記録の集大成として、映像や音声、新旧の新聞記事などを一堂に展示し「みる」「きく」「よむ」などの形を通して、平和への想いを伝える展示会となっている。来場者は映像やラジオの音源を通して実際の体験談に触れ、当時の様子や平和の大切さを考えることができる。6月23日まで。
平良館長は「当時の話を聞かせてくれた方たちは『平和のバトン』を渡すと同時に『平和な未来』を託すメッセージをくれていたのではないか。これからの未来をつくっていく皆さまが、この展示会を通し『みて』『きいて』『よんで』平和を考え、平和な未来を創る一助となれば幸い」と語った。
展示されている「みる」コーナーでは映像に残る体験談として、沖縄県平和祈念資料館の「平和のウムイ地域版セット」などの記録映像を紹介し、「きく」では音声で残された体験談として、約30年前に発行された「城辺町史第二巻戦争体験編」の制作時の聞き取り調査音声資料が紹介され、「よむ」では新聞記事や市町村史などの資料が確認できる。
また、展示会場後方には来場者がメッセージを残してくれた方々への手紙や平和への思いを書くことができるコーナーも設けられている。
午前中に訪れた前泊直子市教委教育長職務代理者は「当時を知る方々が高齢となり、直接話を聞ける機会が減ってきている。記録として受け継ぎ、平和の大切さを伝えていきたい」と述べ、期間中の来場を呼びかけている。
期間中、18日(国際博物館の日)と6月23日(慰霊の日)は特別無料開館日となり、より多くの市民や観光客の来場が期待されている。
入館料は一般300円、大学生・高校生200円、中学生・小学生100円。70歳以上、高校生以下は土日無料となっており、6月15日には関連講演会も予定されている。